HELIKUTU KOBO

へりくつ工房はカードゲームを作ったり、 そうでもないものを作ったりしています

同じ題材でゲームを作ってみました。

前振り

こちらはBoard Game Design Advent Calendar 2017 5日目の記事です。

前の方々の記事がすごすぎて、腰が引けていますが、がんばって書いていこうと思います。

はじめましての方ははじめまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
天空 薙と申します。

この記事はゲームマーケット2017秋に発表した「よくばりパフェ」のデザインノート的な記事です。

「よくばりパフェ」のルールがわかってると読みやすいかなと思います。(リンク先からルールテキストがDLできます)
あまりいいことは言えませんが、お付き合いいただければ幸いです…

動機

とある知り合いに何かあるたびに、「バケツパフェは面白くないよねー」
という話をされて、いつか作り直したいなと思っていたのが今回「よくばりパフェ」を作成するきっかけです。

テーマ

巨大なパフェを食べる

これは、自分の大学時代のサークルの慣習で、新歓の時に上級生が新入生に巨大パフェをおごるという経験をしていて、
なかなかに面白い経験だったので、それを題材にしました。
また、食べ物関連は自分には馴染み深く、種類も豊富で差別化できそうという打算もありました。

システム的なコンセプト

「バケツパフェ」「よくばりパフェ」それぞれ目指すところは同じものでした。
Kordyの可愛らしいイラストを書いてもらえそうだったので、
「ゲーム初心者に向けたカジュアルなゲーム」
を目指していました。

そして、個人的な経験上、巨大なパフェを食べている時は
「一気に食べすぎると気持ち悪くなる」、「冷たいものが多く、寒くなる」
と言ったものがあったので、その辺を表現を目指しました。
また、フードファイト的な食べ方をする時は、ペース配分を考える必要もあるので、
その辺もうまく意識指せたかったです。(その点に関しては、うまくできた自信はないです)

前作「バケツパフェ」

上記の方針で最初に作成したのが「バケツパフェ」です。(詳細ルールはリンク先参照。)
上のコンセプトに加えて、作成予算的な制約からカードのみ、枚数は100枚程度というものがありました。

バケツパフェのルール概要は以下の通り。

すべてのカードを一つの山札にし、ゲームをスタートします。
各プレイヤーはターンはじめに何枚引くかを宣言します(1〜4枚)
宣言後、山札から一枚ずつカードを引いていきます。
この時に、宣言した枚数を一枚ずつ山札からカードを引いていきます。

引いている途中に前のターンに引いたカードとこのターン引いたカードに書かれているマークで、
氷マーク3つかハートマーク3つ揃ってしまったら、その場で終了。
さらに、次のターン休みになります。

カードにはそれぞれ点数が記されており、最終的にはこの点数が一番多いプレイヤーが勝利となります。

バケツパフェでは、前のターン引いたカードを参考に、何枚引くかを選択し、なるべく多くのカードの獲得が目的となります。

しかし、バケツパフェは、最初の動機にもある通り、知り合いに「面白くない」と言われるできでしたOTZ

バケツパフェの反省点

バケツパフェが面白くない要因としては、以下の点があげられます。

  • 判断材料の欠如
  • ペナルティの少なさ
  • 得点計算の煩雑さ

判断材料の欠如

現在の手札から何枚引くかを選択せるというのがこのゲームのメインのというか唯一のギミックでした。
しかし、何枚引けばいいのか判断できないのが面白くない要因の一つでした。
何枚までひけるかというチキンレースなのに、今アクセルを踏むべきかブレーキを踏むべきかわからないのはとても致命的でした。
(出てきたカードの枚数をカウントすると確率は計算出来ますが、かなり高いプレイヤースキルを要求するので、想定プレイヤー層からはずれすぎていました。)

これに関して、考えられる改善策としては、
山を複数に分け、一部を表にするなどによって、プレイヤーの情報を増やすことです。

ペナルティの少なさ

バケツパフェにおける、チキンレース失敗時のペナルティは、宣言した枚数より前でドローが止まってしまう(が、カードを失わない)+一回休みというものでした。
よって、ドローが止まってしまうだけなので、判断を間違えても得られたカードが減りませんでした。
一回休みなので、得点的には損失が大きく、悪くないペナルティだと思っていたのですが、プレイヤーからしたらそんなに重くないという印象が強かったようです。
(ここに関しては人によると思いますが、一回休むことによって、前のターンのカードがなくなるというルールだったので、一回休む→気兼ねなく引く→一回休むを繰り返すがよいという結論になっていました。)

これに関して考えられる改善策としては、
一度獲得したカードの一部または全部を失うことをペナルティとすることです。

バランス調整にもよりますが、「獲得したカードを失う」と「一回休み」は
バケツパフェ作成時には同程度の重さであると判断していました。
この時に、ルール上「一度獲得したが失ったカードを置いておく場所」を定義しなければならなく、
用語が増えることによって、ルールの複雑さが増してしまうと判断し、「一回休み」を採用しました。
しかし、バケツパフェを作成後知ったことですが、人間心理として、「得られるチャンスを失うこと」と「一度得たものを失うこと」を比べた場合、圧倒的に「一度得たものを失うこと」の方が心理的ダメージが大きいそうです。
もちろんちゃんと計算できれば、どちらが大きいかというのは状況によって変わるのですが、心理的には後者のほうが大きいということです。
(本で軽く読みかじった程度なので、この場合適切なのかわかりませんが。)
そう考えた時に、獲得したカードを失うペナルティの方が直感的に嫌がってもらえる分、ルールが若干煩雑になったとしてもよかったのかなと思います。

得点計算の煩雑さ

これは、面白くない要因に直接関係ないですが、
バケツパフェでは、カードごとに点数が1〜20点で記されており、ゲーム終了時の得点計算がかなり煩雑でした。
得点計算の煩雑さに関してはシステムによっては戦略の多様性を保証するために必要な要素になりえますが、
このようなシンプルなカジュアルゲームにはミスマッチでした。

改善策としては、「1枚1点としてしまう」とすることです。

よくばりパフェの製作

上で書いたような問題点とそれに対応する改善策がなんとなく見つかったところで、自分の中ではこのゲームを作り直したいという思いが出てきました。
別のテーマでチキンレースを作るのも一案でしたが、Kordyが可愛く描いてくれたキャラクター達がいたので、
彼ら?彼女ら?(性別は特に設定してなかった)にもう一度活躍してほしいということもあり、同じテーマで作りました。

よくばりパフェはバケツパフェと最終的にルールはガラッと変わってしまったのですが、同じテーマ、同じコンセプトで初めて作ったゲームになりました。
作成した時に一から作ることに比べてよかった点としては、以下のことがあげられます。

  • 改善部分が明確になっている
  • 素材の流用が効く

改善部分が明確になっている

改善部分が見えているからこそ、作り直したいと思えるとも言えるので、
鶏が先か卵が先かのような気もしますが、どこをがダメだったからここをいじればよいというのが漠然とでもわかった状態でスタートできる。
付け加えるならば、すでに反面教師ながらも、ルールの原型が存在するのは製作する上で大きなアドバンテージでした。

素材の流用が効く

すでに素材ができているというのは、いろんな意味でよかったです。
デザイナーとイメージを共有して書き起こしてもらうということをしなくていいのは作成時間的にとても大きなアドバンテージになると思います。
ただし、裏を返せば、素材が完成している=変更が効きづらいということでもあるので、そのせいでやりづらい部分が全くなかったわけでもないです。

上の二つの点によって時間的な余裕が生まれて、テストプレイをいつも以上に回せたことがとてもよかったです。
回数に加えて、質的にも、問題点が明確になっているので、効率的にテストプレイができたと思います。

バケツパフェであげた問題点ですが、個々にあげた改善策をよくばりパフェでは以下のように適用しました。

判断材料の欠如

これは表向きの山を複数作ることで解決しました。
しかし、今度はギリギリのラインがわかりやくなりすぎてしまいました。
そこで、6つの山に分け、ダイスによって取れるカードランダムにすることで解決しました。

ペナルティの少なさ

上であげたように、一度得たものを失う方が心理的ダメージが大きいようなので、
一回休みではなく、得られるはずだったカードを失うというルールに変更しました。
しかし、他のルールとの兼ね合いで、今度はペナルティが大きすぎてしまい、そこの調整に手間取りました。
その時に出た案としては、大別すると「カードを失う代わりに、次に失うリスクを緩和する」か「カードを失う量を調節する」
のどちらかでした。
そのうち後者はルールが複雑になるので、「カードを失う代わりに、次に失うリスクを緩和する」形で調整しました。

得点計算の煩雑さ

ここは1枚1点にしました。それ以上はいうことないかなと思います。
計算を簡単にしたことによる弊害で一つあげるなら、同点の確率8がかなりあがってしまいました。
この点に関して、タイブレークの処理が若干煩雑になってしまったのが心残りです。

こうして完成した「よくばりパフェ」は先ほどあげた「バケツパフェ」の欠点をなんとか克服できたかなと思います。
もちろん、全く問題点がなかったというわけではないです。
例えば、「ペナルティの少なさ」を解決した結果他のプレイヤーより2、3回多く失敗した場合トップ争いから脱落してしまうことです。
この辺は個人の好みの範囲内とも言えなくはなく、ボードゲームで無駄手を何回も打ったら勝てないというのは至極全うだと思うのですが、運悪くそうなってしまう可能性があるゲームなので、もう少しうまく調整する方法があったかも知れません。

まとめ

「巨大なパフェを食べる」というテーマのもと「バケツパフェ」と「よくばりパフェ」という二つのゲームを作りました。
期間が空いたことによって、ゆっくり考えられたこともありますが、「より多く試行錯誤をする」「問題点を明確にすることによって、解決策を効率よく発見できる」という至極まっとうで当たり前な結論が得られました!
それを身をもって経験出来たということで、良い勉強になったかなと思います。

そんなこんなで出来上がった「よくばりパフェ」ですが、今後ゲームショップでも委託販売を予定していますので、見かけたらぜひお手に取ってください!
特にいい締めも思いつかないですが、この辺で終わりとさせていただきます。
長々とありがとうございました。

ということで天空 薙でした!

明日はアドベントカレンダー6日目
hyacperさんの「画力ゼロでも作品はできる。(私の創作日誌)」です!お楽しみに~♪

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