HELIKUTU KOBO

へりくつ工房はカードゲームを作ったり、 そうでもないものを作ったりしています

投稿者「天空 薙」のアーカイブ

天空 薙

サークル代表(雑用)の天空 薙です。 イラストとデザイン以外の仕事を主にしてます

クソゲーを作った話

■この記事はなに?

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2023の22日目の記事として書かれました。

こんにちは。
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
HLKT工房の天空 薙と申します。
以後お見知りおきを!

毎年参加させていただいているこの企画ですが、ゲームデザインよりも同人ゲームの頒布に関してが多かったので今年はゲームマーケット2023秋で頒布した「クソゲーRTA」デザイナーズノート的なものを書こうと思います。

誰かに読んでもらうよりも、自身の備忘録的な側面が強いですがよろしくお願いします。


この記事はざっくりと二部に分けております。
前半はシステムの話システムが1回転半ほど変わったので、その遍歴とそれぞれでどういう選択をしたかを書こうと思います。

後半はテーマの話
テーマ上「ゲームをする」ゲームになったため、どういう構造なのか、またキャラクターを発注するにあたって、どんな感じで設定を考えたのかみたいなのを書いていこうと思います。

■システムに関して

今回のクソゲーRTAにはざっくりと3つの期間が存在します。
それぞれの期間ごとのシステムが変わっているのでそれぞれでどうしたかったのか、その時の問題点などを思い出せる範囲で記載していこうと思います。

■期間①:クソゲーコンペ

このクソゲーRTAの構想自体は2021年3月にまでさかのぼります。
元々は小説家になろうで発表された小説原作で、週刊少年マガジンで連載中の『シャングリラ・フロンティア』の企画であるクソゲーコンペに応募しようとしたものが発端となります。
『シャングリラ・フロンティア』”七つの挑戦” プロジェクト始動!

残念ながら、このコンペには間に合わず一旦はお蔵入りすることになりました。

■期間②:みさき工房杯

翌年の2022年8月の『みさき工房杯』に応募しました。
(当時はクリムゾン ソード the gameという名称でした)
こちらで優秀賞を頂きました。(が、最優秀賞には一歩届かず)

最優秀賞とはならなかったものの自身で製品化を進めようと決めました。
ただ、この時点で2022秋と2023春向けはざっくりと走り出していたため、リリースを2023秋として、製作をはじめました。

■期間③:ゲームマーケット2023秋リリース版

そして、今回2023年12月にクソゲーRTAとしてゲムマ2023秋に発表いたしました。
実際に動き出したのはゲムマ明けの2023年6月からでした。
そして完成したものがこちら

ケースとパッケージがとても良い感じにできました!(自画自賛)

以下では、上記の三つの期間に関してそれぞれのシステムの遍歴をざっくりと紹介します。
(各期間内でもいろいろ変化はしております)

■期間①:クソゲーコンペ (〜2022.3)

■コンセプト

「ゲームの周回による最適化」
「バグの組み合わせによるコンボの気持ちよさ」
「資源超過、無限ループによるバースト要素」

■ゲーム内マップ

モノポリー的な周回可能な世界でループ
各マスで資源を支払い、報酬を得ます。

資源の支払いができなかった分マイナス点(時間経過)
一番マイナス点が少ない状態で一周できたプレイヤーが勝利

■バグ表現

1バグ1カード
プレイヤーが行動するとバグカードをランダムで獲得する
カード毎に発動条件があり、その発動条件を満たすと何かしらの効果を得られる

■ゲームの進行状況

順番に1プレイヤーずつターンを進行する

■ゲーム終了条件

1週を規定ターン以下でクリアする

■コンセプトの実現方法

「ゲームの周回による最適化」
→ランダムで手に入るバグを組み合わせて、文字通り周回毎に最適化を目指す形に

「バグの組み合わせによるコンボの気持ちよさ」
→資源数を少なくして、噛み合わせの良いカードや発動条件が緩いカードを多くして、カード枚数あたりの発動回数を増やすことでコンボ感を実現しました。

「資源超過、無限ループによるバースト要素」
→ここは一つ売りにしたかったポイントです。
前述のコンボの気持ちよさを追及しすぎると資源超過やカードの無限ループによってバーストしてしまうため、そこの調整が必要になるのがこのゲームの肝としたかった部分です。
(最終的には無限ループの要素が外れました)

■反省点、改良点

  • バグの制御、運ゲー感
    →増えるバグがランダムなため、運ゲー感がとても強かった。
  • バグの管理が煩雑
    →バグの枚数が多い上に、バグ毎に発動タイミングがバラバラであったため、管理がとても煩雑になってしまった。
  • 終了タイミングの不安定さ
    →終了条件が不明瞭だったこともありますが、プレイヤーがいつ終わるかの予想が付けづらく、あと何週すればよいの??となりがちだった。
  • 無限ループの判定
    →無限ループになっているのかどうかの判断が難しい…

■期間②:みさき工房杯 (〜2022.8)

■コンセプト

「ゲームが進んだ時の加速感」
「同じゲームを遊んでいる感覚がある」
「資源超過、無限ループによるバースト要素」

■ゲーム内マップ

スタートとストップを明確にした複数ルートのマップ
プレイヤーはエリアを選択しながら、移動先のエリアをクリアして、報酬を受け取ります。
今回は支払えるパターンが複数あり、少なくとも時間を消費することでクリアできるという形になっています。


■バグ表現

ゲーム内報酬の変化によるバグ表現
それぞれクリア時に獲得できる資源が変わってゆきながらインフレしていく構造になっています。

■ゲームの進行状況

順番に1プレイヤーずつターンを進行する
エリア毎に要求されている資源を支払う
足らない分失点
エリア毎指定された報酬をゲット
報酬は全プレイヤーで共有
このバージョンでは、プレイヤーごとのバグカードは存在せず、報酬の受け取りが変化していく形

■ゲーム終了条件

規定回数エンドエリアに到達(各プレイヤー1~2回)

■コンセプトの実現方法

「ゲームが進んだ時の加速感」
→各ターンで得られる資源がどんどん増えていく

「同じゲームを遊んでいる感覚がある」
→全てのプレイヤーが共有する報酬テーブルの変化によって実現

「資源超過、無限ループによるバースト要素」
→それを超えたときのバースト時および、報酬にジャンプ命令を入れることで報酬テーブルを周回する形にし、無限ループを発生させる。(実際には無限ループではなく、ループ発生時にバーストする形とした)

■反省点、改良点

  • 収束性の悪さ
    →バースト時にセーブポイントまで戻るというルールがあったため、バグが増えてくるとセーブポイントから抜け出せないというリアルバグのような挙動になってしまった。
  • 戦略性の薄さ
    →バグをプレイヤー全員で共有していたため、プレイヤーごとの選択の幅が少なく戦略性がなかった。
  • 見通しの悪さ
    →前のバージョンでもありましたが、いつ終わるかが分かりづらい部分があり、そこがストレスでした。
  • 報酬の煩雑さ
    →前のバージョンのバグの管理よりは改善したものの、依然としてここでクリアしたときに何が得られるかが分かりにくく、それが、前の項目の「見通しの悪さ」にもつながっていました。

■期間③:ゲムマ2023秋 (〜2023.12)

■コンセプト

「バグの組み合わせによるコンボの気持ちよさ」
「資源超過によるバースト要素」
「同じゲームを遊んでいる感覚がある」

■ゲーム内マップ

スタートからエンドまでの一本道

■バグ表現

1バグ1カード
プレイヤーが行動するとバグカードを場から1枚獲得
発動タイミングがターン開始時とエリアクリア時にあり、
それぞれのスロットにカードを置く

■ゲームの進行状況

順番に1プレイヤーずつターンを進行する

■ゲーム終了条件

全員がゲームクリアをするか脱落する

■コンセプトの実現方法

「バグの組み合わせによるコンボの気持ちよさ」
→発動条件を揃えることで、組合せしやすくした
また、複数回コピーするというカードを作成することで、爆発的なインフレを起こすことを意図して行った。

「資源超過によるバースト要素」
→最大値、最小値を下回った場合の処理としてペナルティを入れることで、上記のインフレを起こしすぎるのを抑制した

「同じゲームを遊んでいる感覚がある」
→隣接しているプレイヤーの資源状態などを参照したり、プレイヤーに資源を配るという効果のカードをいれることで、間接的なインタラクションを実現した

■反省点

こちらが完成版なので、今までの反省点は改良できたかなと思いますが、前2つのバージョンのバグによるアンコントラブルな感じが落ち着いてしまったのが個人的には残念ポイントではありました。
ただ、ゲームの収束性との兼ね合いがつかなかったので諦めましたが、今後何かしらその面白さを出せる何かが作れるとよいなぁと思っています。

■テーマに関して

想像以上にシステムの話が長くなったので、テーマの話は軽めにしましょう
まず「クソゲーRTA」の分かりづらい構造に関して説明します。

  • クソゲーRTA:今回発表したアナログゲーム
  • クリムゾンソード the game:アナログゲーム内でプレイしているデジタルゲーム(バグが多い)
  • クリムゾンソード:クリムゾンソード the gameの原作となっている少年漫画のタイトル

元々、ゲーム内ゲームを遊ぶという時点で分かりづらい構造だったのですが、バグの多いクソゲーというテーマである以上、「漫画原作付きのゲーム」という設定を入れておきたかった経緯があります。
※漫画原作付きのゲーム=クソゲーの構図がわからない方は幸せな世代なので、そのまま過ごしていただければ幸いです。

そこにこだわった結果テーマが「漫画原作付きのバグだらけのゲームをRTAするゲーム」というよくわからないモノになりました。

漫画原作付きのゲームなので、タイトルの最後に「the game」とつきました。
ちなみに「クリムゾンソード」の由来ですが、頭文字を取ると「クソゲー」となるように何がいいかなーという話をテストプレイ後の雑談でしていた時に符亀さん(@Hu_games)が出してくださった案の「クリムゾン」「ソード」が採用されました。
バグが多い「クリムゾン」だったり「ソード」なゲームを知っている方はいらっしゃるかと思いますが、それらを想起させるとても良い名前になったと思います。

ということで、この難解なテーマが出来上がりました。

<おまけ>

このテーマで六月先生にキャラクターを書いて頂くにあたり、発注書の作成に関して下記のようなことをしました。

①思い当たる少年漫画のメインキャラクターの構成を書き出す

メインキャラクターの関係性って結構テンプレとしてあると思っていて、そのテンプレっぽさを出せないかなと思い、書き出しを行いました。

例:ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ
ダイ、ホップ、マァム、ヒュンケル
烈火、柳、土門、風子、水鏡、小金井

→これらを参考に発注キャラクター(5キャラを想定)のポジションを決める

クリムゾンソードでは、「主人公」「友人」「ライバル」「ヒロイン」「トリックスター」の5人となりました

②漫画のプロットを書く

何を言っているかわからないと思いますが、自分も分かってないです。

とりあえず、どんな物語でどんな感じの関係性のキャラクターかがイメージ出来ず、キャラクターの発注書がまったく作れなかったので、漫画をでっち上げる!という暴挙に出てました。
ちなみに世界観設定と32話くらいまでのざっくりあらすじ(コミック1巻分を3~5行でまとめる様な感じ)を作ってイメージを膨らませてキャラクター発注をいたしました。
ちなみに文字に起こしたら1700文字くらいだったので、言うほど書けてないですね(苦笑)

③発注書を書く

発注書では、イメージに近いキャラクターだったり、服装のイメージをまとめて依頼しました。

実際に依頼した発注書の一部(画像とかはネット上で拾ったものだったりするので、ピンクの四角でマスクしてあります)


④キャラクターができる

かわいい、かっこいい、かんぺき!

■終わりに

ということで、「クソゲーRTA」のシステムの変遷とテーマ、発注の話をざざざっと紹介しました。
説明不足なところもあるので、もし興味ある方はあったときなどに聞いていただければと思います!

ということで、明日はPRAさんの「「フォアシュピール」というゲームについて」です!
お楽しみに!!

即売会におけるゲーム販売モデルと同時販売に関する一考察

【日付誤記載のお詫び】

天岩庵アライアンス合同誌“Do It Themselves”に寄稿予定で間に合わなかった本稿ですが、“Do It Themselves”ですが、2023年12月9日掲載予定と記載のところ、2024年12月9日となっておりました。
心よりお詫び申し上げます。

【2024.5.6追記】

2023年内の予定といっていましたが、いろいろ記載やっと記載しました。

前回の内容

こちらの文章2023年12月9日に間に合わなかったため、年内目標で記載させていただく予定です。
記載時のお知らせはXなどでお知らせしますので、
ぜひフォローください。


【本文】

初めましての方は初めまして。
お久しぶりですの方はお久しぶりです。
HLKT工房の天空 薙と申します。

この記事は天岩庵アライアンス合同誌“Do It Themselves”に寄稿予定で間に合わなかった原稿になります。

この記事では、即売会における販売モデルとして、単純な数式を元に頒布数の想定値を計算し、作品が複数の場合どうなるかを考察いたします。
もちろん数字に関してはかなり適当なものになり、現実には即しておりませんが、一つの指標にはなるかと思いますので参考になればと思います。

単純なゲーム販売数モデル

販売数のモデルということで、購入するきっかけ別で2つに分けるところから始めてみようと思います。
イベントでのゲーム販売数 = イベント外で購入を決めた数(α)+会場で説明を聞いて購入した人数(β)

今回、同時販売に関しての考察をするため、主にβの方を掘り下げていこうと思います。
なので、以下の過程に基づいてβの理論値を計算してみようと思います。

■理論値計算のための仮定

理論値計算のために、下記のような条件を置きます。
いささか現実味のない条件ではありますが、今回は作品の数によってどう売れ行きが変わるかが焦点なので、それ以外の条件が計算の簡略化のため行います。
本稿では、これを販売の理想状態と定義します。

  1. 作品の説明のために1分間かかる
  2. 必ず説明は1人ずつ行う
  3. 説明が終わったらすぐ次の人に説明をする
  4. 説明2回につき1回購入される
  5. ゲムマ1日分(11:00~17:00の6時間=360分)ずっと説明をする

単品の販売の場合

まずは、1作品しかない場合この場合は簡単かと思います。
ひっきりなしで、説明をして販売を行います。
説明回数:360回
販売個数:180個

いささか、現実離れした数字にも感じますが、一旦これを理論値として置いて置きましょう。

2作品販売の場合

次に2作品販売の場合ですが、
販売する作品を作品①、作品②とします。
これらは両方とも同じ価格、同じくらいの売れ行きとします。

▼説明の回数に関して
説明回数に関しては、下記の3パターンが考えられますが、それぞれ同じ回数行う想定をします。

A1:作品①のみ説明を聞く(所用時間:1分)
A2:作品②のみ説明を聞く(所用時間:1分)
B:両方の作品の説明を聞く(所用時間:2分)

なので、それぞれの説明回数をa1,a2,bとすると、下記の連立方程式が成り立ちます

a1+a2+2b = 360 …① (a1,a2,bそれぞれの説明時間の合計が360分になる)
a1=a2=b …② (a1,a2,bはそれぞれ同じ回数を行う)

ざっくりと連立方程式を解きます。
b+b+2b = 360 …①を②に代入
4b= 360
b=90 …③
a1=a2=b=90 …③を②に代入

上記より、それぞれの回数は以下になります。
a1:90回
a2:90回
b:90回

▼販売数に関して
販売数に関しては、上の条件4および、同じくらいの売れ行きということを考慮し下記の割合で販売するとします
両方売れない:50%
作品①のみ売れる:16.66%(50%の1/3)
作品②のみ売れる:16.66%(50%の1/3)
両方とも売れる:16.66%(50%の1/3)

そうしますと、前の説明回数と合わせて販売個数は下記のようになります。
作品①:a1*50%+(bの作品①のみ売れた場合)*16.66%+(bの両方売れた場合)*16.66% = 75個
作品②:a2*50%+(bの作品②のみ売れた場合)*16.66%+(bの両方売れた場合)*16.66% = 75個

ということで考察

1作品の時の販売数:180個
2作品の時の販売数:75個+75個=150個
30個の差が出ることが分かりました。

この差に関しては、もう少し細かくみてみます
2作品の説明をした場合のa1,a2(どちらか片方の説明をしている場合)に関しては、1作品の時と挙動が一緒のため、差が出ているのはb(両方の作品の説明をしている場合)の90回部分が大きいかと思います。
1作品の場合は、このbの間に180回の説明を行えているため、純粋に説明回数がbに比べて90回多く、
その分45個多く販売していることになりますが、差が30個であるのは、2作品販売時に2個同時に売れるパターンの15個分多いためとなります。

ここで、もし1作品が2作品と同じ説明回数だった場合を考えてみると、
説明回数が、270回、販売個数135個
こうすると逆に15個分2作品販売時のほうが多いことになります。

ということで、ざるな計算ではありますが一旦の結論としては、下記になるかと思います。

「説明回数が一緒であれば、1作品よりも2作品並べたほうがよい」

並べた場合、2作品同時に購入された分だけ売上個数が上昇することが期待できるでしょう。

所感

ということで、長々と考えてきて最終的には当たり前じゃん?みたいな話に落ち着いてしまいましたが、まぁそういう結果が出たのも一つの成果として生暖かく見ていただければと思います。

そして、今回仮定として置いた条件は結構ザルなものが多いため、もっと詳細な条件付けや細かいパターン分け、これが3作品4作品になった場合にどういう挙動になるか?
みたいなものも計算してみても面白いかなと思いますが、それはまた別のお話で…

強引な計算が多分に含まれた理論なので真に受けず茶飲み話程度にしていただければと思います!
また、この条件は現実的にはこういう条件なのではないか?もっとこういう条件を考慮したほうがよいのではないか?などありましたら、ご意見いただいたり、ご自身で考察してみていただければと思います!(そして天空に共有いただけるとそこからまた考えが深まる可能性もあるかと思います)
そういうことで、「即売会におけるゲーム販売モデルと同時販売に関する一考察」でした!
長らくお待たせいたしまして大変申し訳ございませんでした。

こういった所感の最後は謝辞で締めくくるのがお決まりなので、
こういった面白い記事を書く機会をくださった、天岩庵アライアンスの皆様、特に「脱稿のお知らせ」なんぞふざけた記事を掲載していただき、天岩庵アライアンス合同誌“Do It Themselves”のDTPをしてくださった久遠堂様にはこの場を借りてお礼を申し上げます。
また、なんだかんだここまで長く続けられたのはHLKT工房のゲームをプレイしてくださっている皆様のおかげと考えておりますので、深い深いお礼とついでに今後のご愛顧もよろしくお願いできたらと思います。
あまり真面目なノリも肩がこるのでこの辺で!
またどこかでお会いしましょう!
天空 薙でしたーノシ

ゲームマーケット2023春お疲れさまでした。

こんばんわ!
HLKT工房の天空です。
書こう書こうと思っていたのですが、気がついたら1週間立ってしまったゲームマーケット2023春に関してせっかくなので記録を残しておこうと思いブログにしました。

ブログにしようと思ったきっかけですが、今年でHLKT工房が10周年を迎え、それに伴い冊子を作成しました。この冊子を作成するに当たり、昔こまめに書いていたブログを読み返す機会がありました。
当時考えていたことや、何をしたかなどを書いていて当時の想定以上に有用だったので、イベント毎くらいには思ったことなどを綴っておいても良いかな〜と思ったのがきっかけです。

ゲームマーケット2023春で、HLKT工房が何をやったかざっくりと紹介します。

【頒布作品】

  • 「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」
  • 「筋肉(マッスル)テイキング」
  • 「魔王城でカンパイ」
  • 「あわてんぼうのサンタクロース」
  • (裏メニュー)「Magic Item Diffusion」
  • (裏メニュー)「ゲ△▼チャレンジ0」
  • (裏メニュー)「HLKT工房10周年記念カタログ」

裏メニューに関しては、5月第2週(ゲムマ直前週)に印刷したものばかりで、天空本人も詰め込み過ぎたなという反省ばかりです。

【参加企画】

  • 「ナイトフラワーズ」✕「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」コラボカード頒布
  • 橙華堂さんのパッケージスタンプラリー
  • 十華祭さんに「HLKT工房10周年記念カタログ」の出品
  • 四等星さんのゲムマチャレンジガチャへの出品
    (あわてんぼうのサンタクロース、Magic Item Diffusion、ゲ△▼チャレンジ0)
  • ゲムマチャレンジへの出品
    (あわてんぼうのサンタクロース、Magic Item Diffusion)
  • チャック袋チャレンジの登録
    (あわてんぼうのサンタクロース、Magic Item Diffusion)
  • ボドゲゴーさんのリアル友達探し
  • TUKAPONさんの福袋企画
  • 天岩庵アライアンスのチラシ裏企画

といろんな企画に参加させていただきました!
その説は皆様お世話になりました。

その上でまず良かった点について!

①サークルスペースのデザイン

こちらに関しては、今回特別に宮本アシタさんに依頼してデザイン、設営をしていただきました!
天空はいつもだいたいこの辺必要だろうと感覚で準備して、当日手なりで設営してしまうのですが、アシタさんは事前に打ち合わせしていただき、こんなイメージで考えていますというプランの共有、すり合わせをしていただきました。
その過程や当日の設営をみて、自分もまだまだ工夫できる部分はいっぱいあるなというのを思い知りました。

ゲームマーケット当日のHLKT工房のブースの様子

②説明ボードの作成

こちらもアシタさんがブースデザインの一環で作成してくださったものですが、ゲーム説明用にカードなどを貼ったボードを作成してくださいました。
今までHLKT工房ではいちいちカードを広げながら説明していたのですが、これがあると一瞬でゲームの盤面ができるので、説明に移るまでの時間が格段に早くなりました。

③搬入個数

これに関しては、完全に運が良かっただけでしたが、今回HLKT工房がメインで押していた「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」に関しては残数12個(うち10個はそのままメロンブックス様に委託させていただきました)とほぼ完売、個人的には理想の結果になりました。(売り切れはせっかく来てくださった人に売れなかった可能性があるので)

続いて反省点

①予約の照会

今回ありがたいことに、例年の3〜5倍の取り置き予約を頂きまして、いつも名前だけで照会していたのですが、名前だけの照会だと聞いてそれを名簿から探すのに結構戸惑ってしまった感があります。
次回からはこちらから予約番号を発行するまたは、予約時に予約番号を入れてもらうなどの対応をする必要がありそうです。

②列の流し方に関して

①に関連してくるのですが、取り置き予約の方の照会で詰まる→次の人が待つという負の連鎖が起こってしまい、列ができてしまいました。
ここに関しても、列の方向を予め決めておけばよかったのですが、それができず隣のサークル様に迷惑をおかけしてしまいました。
ブースの机にそう形で列を流すなど対策はできたかなと思います。

③当日の動き方に関して

せっかくアシタさんがいい感じにデザインして、事前にここにこんなものを置く予定です!みたいなものを作ってくださったのに、それに対応して動く想定があまりできてなかったです。
結果、レジのいちや説明者のいちが若干ちぐはぐになってしまい当日の動きがぎこちない部分が散見されたのが残念ポイントでした。

まとめ

ということで、ゲームマーケット2023春のHLKT工房のまとめでした。
誰かに向けて〜とかそういう高尚なことは考えてなく、ただただ5年後10年後に自分が見返したときに当時の考えとか役に立てばよいなーという気分で書きました。
せっかくのブログスペースがあるので、月一とかイベント毎とかそういうスパンで更新できたらいいなぁと思いつつどうせまた更新しなくなるんだろうなと思っていますw
更新したときはTwitterなどでお知らせしますので、たまに覗いてくださると嬉しいです。

それではまたお会いしましょうー

■おまけ

ゲムマ翌日に秋葉原のイエローサブマリンさんにお邪魔したら新作コーナーに「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」があったのと、(少し前から気がついてはいたのですが)HLKT工房の作品がひとまとめになっておいてくださってました。
イエローサブマリンさんにお邪魔するたびに自作のゲーム置いてあるかウロウロするのが習慣なので、まとめてくださるとめっちゃ嬉しいです

(ちなみにHLKT工房コーナーとかじゃないので、別のサークルさんの作品もちらほら写真に写ってます

祝!10周年!!

こんばんわ!
HLKT工房の天空です。
C101を持ちまして、HLKT工房が10周年となりました!
(初参加が2012年の冬コミなので、丸っと10周年)

これもひとえに皆々様のお陰と深く感謝しております。

まぁ正確な話をすると、HLKT工房の処女作である「名状しがたいクトゥルフスープのようなもの」はHLKT工房という名前ができる前に完成した作品なので、本当に10周年と言えるのかは怪しいところではあります。(笑)

といっても、追加で何か作りたいとなってサークルとして立ち上げたのが1月なので、ほぼ誤差のようなものです。

来年の抱負としては、10年間の活動を振り返る何かを作りたいなぁと思いつつあまり肩肘張らずに11年目も活動していこうと思います。

ということで、これからもHLKT工房と天空 薙よろしくお願いいたします!
天空 薙でしたー

ボードゲーム即売会事情2022

■この記事はなに?

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2022の22日目の記事として書かれました。

こんにちは。
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
HLKT工房の天空 薙と申します。
以後お見知りおきを!

この記事では、直接ボードゲームデザインと関係ない部分ではありますが、2022年に天空 薙が参加したボードゲーム即売会イベント(13イベント)の総括と感想をしようかと思います。
それを通して、来年以降の即売会の参加指針の一つになれば幸いです。

■いきなり総括

ということで、いきなりではありますが、HLKT工房が2022年に参加した即売会イベント一覧をご覧ください。
※体験会とかも出てますが、その辺は話の趣旨からずれちゃうので除いてます

来場人数は公式発表をとってきております。
頒布数を直接書くと生々しいところが出てしまうので、参加人数で割らせていただきました。(笑)
それが頒布人数比になっています。
どうしても気になる方は逆算してください。

イベント名日付来場人数頒布人数比分類
ボドゲガレージ2022Spring4/9不明中規模
ゲームマーケット2022春4/23-4/24160000.23%大規模
名古屋ボードゲーム楽市5/62959.15%中規模
千葉ボドゲーン万博5/28865.81%中規模
異世界まぁけっと6/18不明その他
秘密の地下室で逢いましょう6/25不明その他
北海道ボドゲ博7/163004.00%中規模
たちまちゲームマルシェ7/233414.40%中規模
ボードゲームフリーマーケットin川崎7/311651.82%その他
コミックマーケット1008/13850000.02%大規模
ボードゲーム大祭9/3-9/45872.90%中規模
アナログゲームフェスタ9/104102.93%中規模
ゲームマーケット2022秋10/29-10/30210000.56%大規模
HLKT工房参加イベント一覧

人数規模感が近いからというのもありますが、中規模イベントとラベルを振ったイベントでは、体感ではサークルに来ていただき、買っていただいた比率と頒布人数比がほぼ比例していそうな気がします。
※ゲームマーケットは×10、コミケは×100くらいするとほぼそのくらいという印象

逆説的にゲムマは来所者数の10分の1、コミケは来場者数の100分の1程度の中規模イベントと同等の販売効果ともいえるかもしれないです(がここは要検討)

個別のイベントを一つ一つ話していくと天空の個人的な日記になってしまいそうなので、表で分類した3分類の所感を述べていこうと思います。

【大規模イベント】

ここに該当するのは、ゲームマーケット、コミックマーケットと来場者数が万を超える大規模イベントを指しています。

大体のゲーム制作者さんはゲームマーケットがメインの販売となるかなと思いますし、HLKT工房も大体そうなっております。

そのうえで、余力がある方に個人的におすすめなのがコミックマーケット
「アナログゲーム」は無電源ゲームジャンルというジャンルになり、どちらかというとTRPGが目立ちますが、人通りはやはり多くゲムマに行くほどじゃないけど、アナログゲームもやるから他の買い物のついでに寄ってくれる方やジャケ買いしてくれる方がいるので思いがけない出会いがあったりしますので、ぜひご一考ください!

【中規模イベント】

今回の記事としてはここをメインに話したいなーということもあり書きました。
コロナ禍でゲムマが中止になったりしたこともあり、東京、大阪、名古屋以外でも各地で活発になってきたイベントが数多くあります。
天空自身があまり関西に出れなかったのですが、HLKTが出てない関西近辺のイベントも数多くあります。
その中で、天空個人的な感想としては、「東京から離れている方が熱気はすごい」です。
ゲムマが年2回あることを考えれば当たり前っちゃ当たり前なんですが、東京近郊(千葉ボドゲーンやアナログゲームフェスタなど)のイベントに来る方って、ゲムマにも来る人が結構いるんじゃないかなと思います。
そう考えるとHLKT工房のゲームを見て、ゲムマで買った、ゲムマで見ていて琴線に触れなかった人がいて、その分が頒布人数比に出ている可能性もあるなぁという所感です。

この辺に関しては簡単な数式モデルを作って定式化してみても面白いなぁと思いつつ、多分使ったところで販売数の目安にはならないだろうから徒労だろうなぁという気がしてます。

また、近年のゲームマーケットの出展費を鑑みるに、初出展してみたい!という方はこういった中規模イベントに出展してみるのも一個手かなぁとは思います。
個人的な感覚としては、生産量が100個以下であれば、イベント2~3回+委託販売で掃けるという感じです。(ついでに旅行ができる!)
委託販売に関しては、昨年のボードゲームアドベントカレンダーで記事を書いているので、そちらも見てみてください!

【その他】

その他に分類させていただいた、3イベントに関しては毛色が違ったので、その他とさせていただきました。

「異世界まぁけっと」「秘密の地下室で逢いましょう」この二つのイベントはアナログゲームがメインではなく、LARPがメインのイベントとなっております。
中世ファンタジーテーマのボードゲームの販売をやってみたら面白くない?というのを主催者様にお声がけいただいたので、特に何にも考えずに参加いたしました。
また、「ボードゲームフリーマーケットin川崎」はその名の通り、フリーマーケットでどちらかというと中古販売がメインで、新品はおまけ程度の立ち位置でした。

この3イベントをその他にしたのですが、共通して感じたのが「周りが出展者さんが強い」です。
もちろん、規模間や来場者数もあるのですが、LARP系のイベントの物販なので、リアルで装着できるアクセサリーや装備が置いてあるのもあり、それに対して紙でできたボードゲームはまさにおもちゃというレベルの見劣りを感じました。(「異世界まぁけっと」のお隣が「異世界アキンド」のNamikiさんだったのですが、とても良いビジュアルのゲームではありつつも苦戦をしていたようでした)
また、フリーマーケットですと、中古ゲームと比べられるのですが、隣で商業で出ている中古ゲームが2000円以下で売られていた利すると、新品の同人ゲームが2000円が見劣りしてしまうなぁという印象でした。
もちろんその中で手に取っていただき、購入していただいた方々もいらっしゃってとてもありがたい限りでした。
また、それぞれ「LARP」「中古ボドゲ」という主目的があり、そのついでに見ていってくださっている部分もあるかなというところを考えると、コミケくらい人数がめちゃくちゃ集まるならともかく、中規模イベントだとそこがどうしても難しいよなぁという印象を受けました。
ただ、ここに関してはまだまだ回数が少ないこともあり、何かしらできないかなというのを模索したいと考えており、来年以降の課題だなぁという感じです。

■まとめ

ということで、つらつらと書いてしまいましたが、もう一度まとめます!
HLKT工房として2022年に参加したイベントを以下の3つのグループにまとめて所感をつらつらと書きました!
それぞれ一言で言うとこんな感じ。

大規模イベント:大体の人のメイン販路かなと思います。出展料以外は文句ない!
中規模イベント:ここ最近各地であるので、どこかに参加してみるのもアリかも!
その他:天空もよくわかってないので、わかる人いたら教えてください。

ただ1か月に1イベント以上のペースは体力的にしんどいところもあるので、来年はペースを落とします!(多分!

ということで、HLKT工房2022年の総まとめでした。
ここ3年くらいデザインではなく、販売の話をしているので、来年はデザインの話をしたいなぁと思いますが…来年は来年でまた別のことを話していそうです…

■NextDay

明日のBoard Game Design Advent Calendar 2022の23日目の記事は「sounio120」さんの「久しぶりにゲムマに参加したので2019年ぶりにゲームデザインについてもアウトプットしていきたい」

お楽しみに!!

マッチョなトリテを作った話

この記事は『Trick-taking games Advent Calendar 2022』12日目の記事です。

初めましての方は初めて、お久しぶりの方はお久しぶりです。

HLKT工房の天空 薙と申します。以後お見知りおきを

この記事では、HLKT工房のゲームマーケット2022秋新作『筋肉(マッスル)テイキング』のデザインノート的なものになります。

”的なもの”としたのは、これぞデザインノートというものをあんまり理解していないので、なんか違うなぁという記事になってもご了承ください。

さっそく『筋肉(マッスル)テイキング!!』の紹介!

どんなゲームかという話ですが、「ボド速」さんが概要動画を作成してくださったので、そちらを見ていただくのが早いかと思います!

【ボド速】筋肉テイキング【ゲムマ2022秋新作ボードゲーム】

文字ベースで説明するのであれば、2つのフェイズに分かれているトリックテイキングゲームで、オープン形式のドラフトで手札を作る「トレーニングフェイズ」と「レーンフォロー※」「マストフォロー」ルールでトリテを行う「コンテストフェイズ」になります。

カードは数字とボディビルのポーズで構成されており、トランプのスートに当たる部分がポーズになっています。

バックダブルバイセプスの1のカード画像

トリテ部分では、フォローできた札の中で基本的に数字の大きいほうが勝ちます。(ただし、フォローできている10と1の札がある場合は1が勝ちます)

勝ったプレイヤーはお題として場にでたカードと各プレイヤーが出したカードを得点として獲得します。

誰もフォローできなかった場合は、場に出ているカードは誰も獲得できません。

得点は、ポーズ(スート)毎に1枚2~4点となっており、1は特別に1枚5点となります。

※レーンフォローは、トリテ開始時にレーン上にフォロー札が提示されており、それに従ってフォローしていく形式を指します。

■そもそもなんで作ったのか?

<テーマの決定>

よく、なんでこうなったんですか?と聞かれるんですが、一言で言うなら「ボディビル大会ってマストフォローだよね!」と思ったからです。

あ、ちょっとまって!!ちゃんと説明するので、閉じないで!!!

ここに関しては、マストフォロー(最初のプレイヤーに合わせて同じ動き)をするものってないかなと考えていた時に、ふとボディビルの大会ってコールに合わせてポーズ取るなぁと気がつきまして、これってマストフォローのゲームになるんじゃないかな??となりました。

実際、コールされたポーズに合わせてそれぞれのプレイヤーがポーズカード出すのおもしろそうだよね!とはなったのもあり、方針は決まりました。

ちなみに、ボディビル大会を調べたら、ボディビル大会は指定ポーズが8種か9種ほどあるらしいのですが、その中でも比較審査(予選などの審査の中で甲乙つけがたく、次の審査に進む選手を選定するために改めてポーズをとってもらうフェイズ)でとる4ポーズというのがあり、それを題材としました。

<メインメカニクスの決定>

ボディビル大会にするなら、プレイヤーは事前にポーズ順(大会のプログラム)を知っていないとおかしくない?ということで、フォローするスートの順番が明示されている「レーンフォロー」形式がよさそうだとなりました。

余談になりますが、この「レーンフォロー」の名づけ親の符亀さんがゲムマ秋の時に『筋肉(マッスル)テイキング』の記事を書いてくれたので、良かったらそちらも見てください!

「筋肉テイキング」は運命を自ら創り出すトリテである

大分熱の入った記事を作成してくださった符亀さんにはこの場を借りてお礼申し上げます。

<テーマに合わせた調整>

マストフォロー→ボディビル大会→レーンフォローが決まった時点でドラフトを組み込むのは自分の中では、結構自然な流れとして出てきました。

「大会に出るんだから、それに向けてトレーニングするよね!」ということで、大会(トリテ)に向けて、勝つための選択(手札を構成する)をプレイヤーが行う要素が欲しいよねとなりました。

そうしたときに手札をドラフトするのが分かりやすく良いだろうなぁということで、大分スッと決まりました。

その中で、レーンフォローというシステム上、

「最初にレーンを形成するとドラフトのカードが少なくなり、結果的に選択肢が少ない。」
「ドラフトの余り札でレーンを形成すると、そもそも何を取るべきか分からない。」
と言う状態になってしまいました。

それの解決策が、

「レーンを形成しつつ、ドラフトも同時に進行する」
ということなので、その場合「手札にそれぞれのプレイヤーが持って選ぶ形式」よりも「場に並ぶカードを取っていくオープンドラフト形式」の方が相性が良いなとなりました。

そんなわけでマストフォロー、ボディビル大会、レーンフォロー、オープンドラフトのマッチョなトリテが出来上がりました。

ちなみに手札を全てドラフトするとプレイヤー負荷が重く、あまりにもだったため余り勝敗に関わらない弱いカードはランダムにして、強いカードのみドラフトすることで、ドラフトの内容を濃くしました

※こちらはテストプレイ会で符亀さんにやってもらった時の発案です、重ね重ねありがとうございます!!

■そしてイラスト…イラスト?

システムはさっくり決まったのですが、それに合わせてイラスト!となったのですが、あいにく知り合いにマッチョを描ける絵師様がおらず、1年ほど探し回っておりました。

(去年の秋前にアークライト様より「そこまで絞るには眠れない夜もあっただろう」が発売されたこともあり、少し時期をずらそうという意図もありました)

最終的に知り合いのつてもなく、ダメ元でもともとファンだった「瞬く」さんにメールを送って依頼しましたら、なんと作成していただくことになりめちゃくちゃありがたかったです。

そして完成したのがこの4人のマッチョです!

筋肉(マッスル)テイキングに登場するマッチョ

ということで、素晴らしいマッチョを描いていただき完成したのがこの筋肉(マッスル)テイキングです!

筋肉(マッスル)テイキング箱絵

圧が、圧が強い!!

こちらに説明書も上がっているので、ルールが気になる方はぜひそちらもご覧ください!

■最後に宣伝!

ということで長々とお付き合いいただきありがとうございました。

そんな感じの考えで『筋肉(マッスル)テイキング』を作りました!ということをつらつらと書かせていただきました。

もちろん途中途中でいろんな方にテストプレイをしていただき、たくさんのご意見を頂き、現在の形になりました。

この場をお借りして感謝申し上げます。

ということで、最後に宣伝させてください!

本日紹介した『筋肉(マッスル)テイキング』ですが、全国のイエローサブマリン様をはじめとして、浜松のマスターズギルド様などで委託販売しておりますので、店頭で見かけましたら是非お手に取ってくださればと思います。

また、ボドゲーマ様コノス様で通販しておりますので店頭まではいけないなぁという方はそちらもご検討ください!

ということで、マッチョなトリックテイキングを作った話でした!
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

明日の『Trick-taking games Advent Calendar 2022』はいちょーさんの記事になります!
お楽しみに!!

機動戦士ガンダム2次創作ゲーム「サクとサム」デザインノート

■この記事はなに?

皆様初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。HLKT工房の天空 薙と申します。

この記事は「アブストラクトゲーム Advent Calendar 2022」7日目の記事です。

本記事では、ゲームマーケット2022秋に頒布したガンダム2次創作のアナログゲーム合作集「G4計画」に掲載いただいた、拙作「サクとサム」に関してのデザインノートのようなものになります。

ようなとしたのは、このブログを書いている天空が普段デザインノート的なものを書くわけでもないので、きっとこんな感じだろ!という感じでまとめたものなので皆様の期待しているものをお出しできるか不安でございますが、興味がありましたらお付き合いください。

■タイトルのサクとサムとは?

サク、サムとは機動戦士ガンダムのスピンオフ漫画である『トニーたけざきのガンダム漫画』に登場するモビルスーツ(ガンダムを知らない方向けに平易に説明するならロボット)です。

『トニーたけざきのガンダム漫画』とは、ガンダムエースで不定期に連載しているガンダムをテーマにしたギャグ漫画である。

アニヲタWiki(仮) (https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/3671.html)より抜粋

そのマンガの中に登場するのが、サクとサムです。(初回登場時の画像)

トニーたけざきのガンダム漫画p79より抜粋
トニーたけざきのガンダム漫画p82より抜粋

※こちらガンダムを知らない人向けに軽くネタを解説すると、アニメ機動戦士ガンダムの世界では、(宇宙コロニーにある)ジオン公国軍と地球連邦が戦争しているのですが、その両軍で量産されているロボットが「ザク」と「ジム」(下記画像参照)になります。

バンダイホビーサイト HG 1/144 ザクIIより
バンダイホビーサイト HGUC 1/144 RGM-79 ジムより

そのザクとジムをさらに簡略化した兵器ならば敵軍に対して数の有利を取れるだろう!ということを両軍考えこの手抜き簡易量産型兵器を作ったが…という話になります。

■そもそもなんで作ったの?

今回の合作の主催が「くらげシステム」さんなのですが、普段から懇意にさせていた縁もありつつ、G4計画の全体的なアートワークを担当されている「Studio Turbine」さんとガンダムの話をしたのがきっかけでお誘いいただきました。

■「サクとサム」はどんなゲームか?

今回作成した「サクとサム」では、ジオン軍側と連邦軍側に分かれてプレイする2人用アブストラクトゲームです。

双方は15枚のユニット(内1枚は特殊ユニット)を持ち、マップ上に配置されたユニット(1マスに最大3ユニット配置可能)を移動させて敵陣(薄い青と薄いピンクの部分)にユニットを置くことを目標とします。

また、原作では連邦軍(青側)基地をジオン軍が攻めているというシチュエーションなので、15ターン経過時にどちらも勝利条件を満たせない場合、ジオン軍の敗北ということになっています。

サクとサムの戦闘マップ
サクとサムユニット(種類と枚数)

■ゲームのユニークポイント

このゲームのルールとしてユニークな部分は、戦闘処理と移動方法の2つがあげられると思います。

①戦闘処理

基本的に戦闘処理に関しては、シミュレーションゲーム、ウォーゲーム感を出したかったのもあり、以下のようなルールにしました。

  • 敵軍のユニットにあるマスに自軍ユニットを移動させた場合、戦闘処理が発生
  • 戦闘力の差分が大きい軍のユニットがその差分だけ生存、残りは破壊(破壊されたユニットは時間経過で戻ってくる)
  • 戦闘力はそのマスおよび周囲6マスのユニットによって決定
  • 1ユニット1戦闘力だが、特殊ユニットのみ3戦闘力を持つ

これによって、結構ウォーゲームっぽい感じを出しつつ計算量を抑えられたかなと思います。

②移動方法

移動ルールですがこっちは若干複雑になってしまいましたが、マンカラっぽい動きをさせつつユニットがわちゃわちゃと押し出している感じをイメージしてルールに起こしました。

  • 1ターンに移動できるのは1マスに配置されている自分ユニットのみ(最大3ユニット)
  • 周囲6マスのいずれかに1マスにユニットを移動できる
  • 移動先に1ユニット以上配置できる場合、移動しているユニットから最低1ユニットを配置して、残りのユニットをさらに周囲6マスのいずれか移動させてもよい
  • 移動先が自軍ユニットのみで配置できない場合、移動しているユニット全てをさらに周囲6マスのいずれかに移動させてもよい
  • 移動先に敵軍ユニットがいる場合はそこに移動ユニットを配置して、戦闘となる(配置できない数のユニットは1マス前に戻る)
  • ふと枠になっているマスは2ユニットまでしか配置できない

■ルールデザインで苦労したところ

戦闘処理と移動ルールの基本は早い段階でできたのですが、ターン制限と戦闘処理の関係で連邦側が動かないほうが有利となってしまい、膠着状態が起こりやすくなってしまいました。

そのためにマップを細かく調整しました。

サクとサムの戦闘マップ

調整ポイントとしては、大きく以下の2つを行いました。

①連邦軍側の飛び地陣地の作成

②2ユニットしか配置できない通路の作成

①連邦軍側の飛び地陣地の作成

ここで言及しているのは、中央下にある青いマスなのですが、これの設置意図としてはゲーム序盤に連邦軍側のユニットを行動させる必要性を出すことにあります。

これがない状態ですと、初期配置から動かず、ジオン軍の動きに合わせて防御を厚くすれば勝ててしまいます。

それを解消するために飛び地を作成し、ジオン軍は序盤にこちらを落とそうする(連邦軍は守ろうとする)という動きになるようにマップの位置を調整しました。

これによって、序盤はジオン軍、連邦軍双方が飛び地にユニットを進める動きになったかと思います。

②2ユニットしか配置できない通路の作成

①で飛び地を作ったことにより、そこの攻防が序盤の動きになったのですが、第二の問題として、飛び地付近での膠着状態が発生しました。

本作の戦闘処理ルールですと、基本的にターンプレイヤー側が若干不利になる場合が多くテストプレイでは、損失を抑えるために戦闘を避ける傾向がありました。

そうなった場合、起こるのが陣地付近でのにらみ合いになります。ただ、これではゲームが硬直してしまって面白くありません。

そこで登場したのが、マップの中央にある2ユニットしか配置できないマスになります。

基本的にはジオン軍側がここに布陣することになるのですが、布陣したジオン軍側は狭い通路に2ユニットずつ配置することによって、1ターンでここの通路を行き来きできます。

基本的に飛び地の防御を盤石にするほど戦力を割いていると裏側から攻め込まれて、左上側に攻め込まれる。

逆にそっちに防御を厚くすると飛び地に攻め込まれるという状態になるようにしました。

また、ジオン軍側も深く左上に攻め込むと自軍の防御が薄くなるので、飛び地の防御をしている連邦軍の逆襲で先に陣地を占領される恐れもあります。

といったバランスになるように何回もテストプレイをしていったマップとなっております。

ここは自分的にもよい感じにできたかなという部分ではあるので、ぜひプレイしてみてください。

■宣伝

ということで、長々とお付き合いいただきましたが、アブストラクトっぽくないアブストラクトゲームを作成したので、ちょうどよいアドベントカレンダーがあり、デザインノート的なものを書かせていただきました。

ありがとうございます。

G4計画に関しましては、くらげシステムさんのBoothでも通販を予定しております。

また、12/30に行われるコミックマーケット101の1日目に出展するHLKT工房のブース(東s19b)にて委託頒布という形で頒布予定です!
また、同日同会場のStudio Turbineさんのブース(東s35b)でも同じく頒布予定です。

もし実物を見てみたいという方はお越しください!

なお次回の アブストラクトゲーム Advent Calendar 2022」は明後日9日、Kanare_Abstractさんの「禽将棋に登場する鳥について」だそうです!
お楽しみに!!

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

今年は少しブログを書いていけるように頑張ろうということで、ちょこちょこ書けたら書いていこうと思います
(飽きたらごめんね)

ということで、新年一発目は去年、やろうやろうと思って結局年をこしてしまった、戸塚中央さんのnoteで書かれていたインタビューでもやろうと思います。

■天空 薙について

Q1. デザイナー名、サークル名を教えてください

ゲームデザイナー:天空 薙
アートデザイナー:ねこ電球
イラストレーション:Kordy(休止中)

サークル名:HLKT工房(へりくつこうぼう)

ほぼ天空しか表に出ないので1人サークルと思われがちですが、後ろに何人かいたりいなかったりします。

Q2. ボードゲームにはまったきっかけとなるゲームはなんですか

大学入学時にTRPGができるということで、入ったアナログゲームサークルでボードゲームに出会いました。
そこからずぶずぶと…

Q3. 好きなボードゲームやジャンルを教えてください

比較的なんでもやりますが、経済系のゲームとか数字を使ったゲームが好きです。

Q4. 所持ボードゲーム数はどれくらいですか

わからないけど200~300くらいじゃないかな…
最近棚を整理したけど、数を数えるのは諦めました。
余裕があれば目録を作りたいけど多分無理

Q5. ボードゲーム製作を始めたきっかけを教えてください

ワルノリにワルノリが重なった結果ですが、

  1. 大学のアナログゲームサークルでゴキブリスープをプレイ中に耳元で「クトゥルフ」とささやかれた結果、つられて「クトゥルフ」と言いながらカードを出してしまった先輩がいた
  2. その話を聞いたので、実際に旧支配者でゴキブリスープをやってみた
  3. SAN値の減少が甚だしく、当時ちょうどアニメをしていた「這いよれニャル子さん」のキャラクターに変えたらマイルドになった気がした
  4. 大学のアニ研にいた絵師(Kordyさん)を捕まえて絵を描かせた
  5. アニ研でアートワークに四苦八苦してたらちょうど通りかかったねこ電球さんがいい感じにしてくれた
  6. いい感じになったのを同じ地域でコンベンションを主催していた巡礼者さんに見せたら、コミケへ委託することが決まる
  7. コミックマーケット83にてデビュー

となりました。
思ったより丁寧に書いたら長かった…

Q6. 普段はどのような環境で製作してますか

モックをざっくりと作って、テストプレイ会(オープン、クローズ問わず)に持ち込んでいます。
モックはBoard Game Design Advent Calendar 2019で書いたこの記事のスクリプトとか使ってます(宣伝)
ある程度形になったら、ねこ電球さんなどにやってもらって、アートワークを依頼する流れになります。

よく利用させていただいているオープンなテストプレイ会は以下

Q7. 製作に関して、ポリシーやこだわりがあれば教えてください

あんまりない気がしますが、特定のジャンルに偏らないようになるべくいろんなものを作ってみたいと思ってます。
(が、その中でも天空の好みが結構反映されている気がします)

あとは世に出ない100%の作品よりも、世に出る80%の作品のほうが良いと思っているので、タイミングが合えばなるべく出すようにしています。

■「組み合わ戦隊ヘンセイジャー」について

Q8. 「組み合わ戦隊ヘンセイジャー」のルールやテーマを簡単に教えてください

名前の通り、いろんなヒーローを組み合わせて、ヒーロー戦隊を作るゲームです!
各ラウンドでは、ポーカーのように手札を入れ替えながら「すべての色が違う戦隊」または「すべて同じ色の戦隊」のどちらかを作成します。
それの戦闘力を比べあい、条件に合ったプレイヤーが代表して敵の怪人と戦い、勝てば点数と手札をGet、負ければ手札を失いほかのプレイヤーが敵の怪人と戦います。
それを6ラウンド行うか、全員が怪人に負けた時点でゲームが終了して、点数を一番多く集めたプレイヤーが勝利するゲームです。

Q9. どのようなプレイヤー(年齢、趣味、好きなゲームジャンル等)に遊んでもらいたいですか

戦隊ヒーローにときめいたことのある方にぜひ!

Q10. 今回のゲームを製作するきっかけは何でしたか

Twitterで大学時代の友人と話していた時に出てきた「ギャル戦隊」という言葉と、
戦隊を集めて戦うというコンセプトが出発点です。

Q11. システム・ルール制作において、苦労した点や工夫した点はありますか

システムは、当初大喜利系のゲームで、出てきた敵をいい感じに倒す戦隊を手札を組み合わせて作るという感じだったのですが、
世代間や個人間での戦隊ヒーローに対するイメージや知識の幅が大きく、納得感が得られにくい感じがしたので
役のような形にしました。

Q12. 今回のテーマを選んだ理由はなんですか。苦労した点はありますか

テーマとしては、きっかけにあるようなTwitterでの会話です。

苦労した点としては、テーマ先行だったのでマッチするシステムを探してさまよってました。
また、昨年の今頃くらいにはねこ電球さんが50体くらいヒーローを作成していて、後には引けない状態になってました。

Q13.イラスト・アートワークにおいて苦労した点やこだわりはありますか

ねこ電球さんが年末年始にやることがないと言いながらやってくれました(((
ヒーローごとの差別化とかが大変だったんじゃないでしょうか(よくわからないけど)

Q14. 「組み合わ戦隊ヘンセイジャー」はどのようにすれば手に入れることが出来ますか

以下の店舗様で委託販売しております!

また、HLKT工房が参加する即売会イベントでも購入できます!

Q15. 最後に改めて「組み合わ戦隊ヘンセイジャー」の魅力・強みを教えてください

個性豊かなヒーローと戦隊の組み合わせによる面白おかしい戦隊がどのように戦うのか想像しながらプレイしていただければと思います!
ゲムマおよび、HLKT工房のWebの「組み合わ戦隊ヘンセイジャー」のページにはカードには載っていない戦隊の情報もあるので、ぜひチェックしてみてください!!

委託販売のメリット・デメリットに関して

こんにちは!
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
どうも天空 薙です。

この記事は「Board Game Design Advent Calendar 2021」の22日目の記事として執筆されています。

そして、ちゃんとこのブログに記事を書くのが約1年ぶり(前の記事が2020年のアドベントカレンダー)という体たらくですが、ご了承ください。

前回のアドベントカレンダーでは、コロナ禍のイベントとして行われたイベントに参加した天空の感想と考察に関して書いておりました。
昨年に比べると大分空気は和らいでおりますが、以前コロナの影響は色濃く、自由に動ける状況ではない状態ではあります。

前回と対比してというわけではないですが、委託販売に関してHLKT工房でお願いしているものと天空が聞きかじった範囲で記録に残そうかと思います。
内容的には主に「委託形式」と「販売形式」に着目して、よくある委託販売の形式と天空の感じるメリットデメリットをまとめたものになります。
個々の例に関して細かい数字を出すと、論旨がぶれる可能性もあるため、ざっくりと一般的(と天空が感じる)数字をベースに話をします。
結果、結論が凡庸になりがちですが、お付き合いください。

<注意>

  • 内容に関してHLKT工房内の数字をざっくりと出しますが、契約状況によっても変わるのでここの数字は一例という形でご認識おきください。
  • この記事における「ボードゲームの委託販売」とは、製作者以外の販売者(主に店舗様)が代わりに購入者と金銭とのやり取りを行い、売り上げの一部を製作者に渡す行為を指しております。
  • いわゆる卸業者に関してはHLKT工房はほぼ付き合いがなく、基本的に販売者と直接やり取りをしている形になります。

委託販売全体に関して

HLKT工房では、基本的委託販売する時にがっつり契約書を取り交わして~ということはあまりしておりません。
基本的に以下のステップでメールなどをベースに委託販売をお願いしております。

  1. HLKT工房から販売者への委託販売提案を行う
  2. 販売者からHLKT工房へ個数(と委託形式※)の指定を頂く
  3. 双方問題なければ、指定の個数を販売者へ預ける)
  4. 適当な期間(大体1か月とか)毎に販売者から販売報告を受ける
  5. HLKT工房から請求書を作成、販売者が振り込みを行う

※ここは次で話をします。

大体作品ごとにこのステップを踏んでいます(販売報告は販売者毎にまとめて頂きます。)
また、最初の個数以上販売できそうだと販売者が判断した場合、追加で発注を頂くこともあります。
販売者によって、いくつかのステップに関して抜けてたりしますが、大まかに上記の流れになります。

委託販売のメリット・デメリット

そもそも委託販売をするメリット・デメリットですが、天空的には以下のように感じています。

■メリット
・イベント以外でも制作物が購入できる状態になる※
・イベント以外でも制作物が購入者の目に触れる可能性がある
・製作者以外が制作物の宣伝を積極的にしてくれる

■デメリット
・販売手数料がかかる(大体20~40%)
・販売者への発送や請求書の作成などの手間が増える

委託形式

委託形式の違い

ここでいう、委託販売方法というのは、HLKT工房と販売者どちらが在庫を持つかということで、
「委託販売」か「買い切り」かのどちらかになります。

※「買い切り」は正確には委託販売ではない気もしますが、あまり区別はされていないのでそれは置いておきます。

委託販売:HLKT工房が持っている在庫の一部を販売者に預けている方式。
もし一定期間販売がされなかった場合返却される可能性などがある。

買い切り:販売者が在庫をいったん買い上げる方式。
売れ残りのリスク等は販売者が持つ。

基本的に販売者側のリスクが少ないのは「委託販売」ではあるのですが、その分委託手数料(販売者がもらう手数料)が低い傾向があります。

基本的な手数料としては大体下記の数字かなと思います(もちろん販売者によって上下します)
委託販売:20~30%
買い切り:40%

メリット・デメリット

委託形式の違いに関して、天空なりに感じているメリット・デメリットはそれぞれ以下になります。

委託販売

■メリット
・委託手数料が低い
(売れたときの取り分が多い)
・店舗もリスクが減るので、在庫を多めに持ってくれる
(売り切れによる機会損失が少ない、部屋が広くなる)

■デメリット
・取り扱い終了となり、急に部屋に在庫が返ってくる可能性がある

買い切り

■メリット
・お渡しした時点である程度まとまった金額をいただける
(結局、次の製作費に消える)
・売れ残ったときのリスクを販売者が請け負ってくれる
(ので、宣伝を頑張ってくれる)

■デメリット
・委託手数料が高い
(同人ゲームで販売価格から40%抜かれると赤字になるところもありそう)
・ディスカウントで売られる可能性が委託販売に比べて高い
(両方ともこちらの言い値で売ってくれるとは限らないですが、より買い切りのほうが多いイメージがあります)

販売形式

ここでいう販売形式というのは、実際に購入者がその商品とどう出会うかというところになります。
基本的に「店舗販売」か「ネット販売」に分けられます。
もちろん販売者によっては、両方というところもあります。

メリット・デメリット

販売形式の違いに関して、天空なりに感じているメリット・デメリットはそれぞれ以下になります。

店舗販売

■メリット
・実物を購入者が確認して購入してくれる

■デメリット
・その店舗に訪れる人にしかリーチできない
・店舗の棚によっては目立たなくなる

ネット販売

■メリット
・全国(下手したら全世界)どこでも購入が可能
・購入者の所在地を考慮しなくてよい分、販売先として教えやすい

■デメリット
・実物を見ていないので、ミスマッチが起こりやすい

まとめ

「委託形式」と「販売形式」に着目し、天空の感じるメリット、デメリットを列挙しました。
個人的には委託販売をお願いするメリットが大半のデメリットを上回っているという判断をしており、可能な限りお願いしている状態です。
ただ、「買い切り」のデメリットにも書きましたが、決して低くない販売手数料があったりするので製作費と日々にらめっこしている同人サークルにはつらいところでもあります。
製作者側もここのメリット・デメリットを踏まえたうえでWin-Winになるようにお付き合いができればなぁと思っております。

ちょっと宣伝

HLKT工房のゲームを委託販売してもよいよ!という店舗様がいらっしゃいましたら是非ご連絡ください!
連絡はTwitterの@HLKT_kobo
または、
E-mail Support@hlkt-kobo.net
までよろしくお願いいたします!!

締め

ということで、約一年ぶりのブログ更新となってしまいましたが、ブログも含めてHLKT工房はマイペースに活動してまいりますので、よろしくお願いいたします。

明日は、Biblio_Gamesさんの予定です!
お楽しみに!!!

コロナ禍におけるアナログゲームイベントに関する一考察

目次

本記事に関して

本記事は以下の2部に分かれております。
前半はほとんど執筆者である天空の日記となっております。
記事の要旨のみであれば、後半の「次回以降に向けての傾向と対策」からお読みください。

■ご挨拶

こんにちは!
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
どうも天空 薙です。

この記事は「Board Game Design Advent Calendar 2020」の22日目の記事として執筆されています。

コロナ禍により、生活様式が一変してしまっておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
今年は同人アナログゲーム界隈にとってはまさに波乱の年だったのではないでしょうか?
そもそも人が集まれない、即売会はおろかゲーム会も開けない。
政府や世間の目を気にしながらひっそりとゲームをされた方もいらっしゃるかと思います(笑)
それはともかく、このブログではこの記事を執筆している天空 薙が2020年に参加したアナログゲームの即売会に関しての感想とそれぞれの形式に関してまとめ、来年も同様の形式で行われるであろうゲームマーケットをはじめとする即売会に対して参加者(主に出展者側)として、よりよいイベントとするために振り返りができたらいいなと思って作成しております。

アナログゲームデザインからちょっと外れてる話題ですが、よろしくお願いします。

■天空 薙の2020年の参加イベント概要

今年参加した即売会は以下の4つになります。

まず、各イベントの開催データと天空自身の感想に関してざっとまとめてみます。

■静岡アナログゲーム祭り

開催情報

開催日時:2020/8/1
参加サークル数:28サークル
参加者:76名
(チケットを買ったけど不参加だった方:35名)

密に関する対策

チケットにより入場時間の制限を設け、会場内の人数が増えすぎないように配慮

その他感染症対策

来場者は検温のうえ、マスクにシールを貼り付け(検温済みの印)
各ブースに透明シートにより、飛沫が飛ばないように工夫
及び、各ブースないのスタッフにマスクの上からつけられるマウスシールドを配布
また、各サークルにサンプル確認時に使用するようのポリ手袋を配布、設置の協力要請

チケットの区分、価格

入場時間別に以下の10区分に分類し、各所の混雑防止をしてました。
(退場は17時までならいつでもOK、再入場可能)
12:00~12:30 12:15~12:45 12:30~13:00
12:45~13:15 13:00~13:30 13:15~14:45
13:30~14:00 13:45~14:15 14:00~15:00
15:00~16:00

価格:各550円

天空の所感

何はともあれ、コロナ禍の中、イベント再開の先駆けになったのではないかレベルに早い段階でのイベントでした。
参加者はみんなおっかなびっくり、暗中模索の中念には念を入れて感染症対策をして行ったイベントでした。

感染症対策のために仕切りを使って透明シートを貼っていたので、左右の視界がわるく、会場全体の見通しが悪いのがちょっと残念でした。
あ、マグロ丼はめちゃくちゃ美味しかったです。

■ゲームマーケット出張版2020浅草

開催情報

開催日時:2020/8/16
参加サークル数: 29サークル
参加者:不明

密に関する対策

イベントを6部に分割
各部でそれぞれ完全入れ替え制で会場内の最大人数が分かれるようになってます。

その他感染症対策

各サークルさんで対策してね?って感じだったのかなと思います。
それぞれのサークルさん毎に結構対応がバラバラでした。

チケットの区分、価格

入場区分 入場料金
1部:10時00分~10時45分 2,000円
2部:11時00分~11時45分 1,500円
3部:12時00分~12時45分 1,500円
4部:13時00分~13時45分 1,500円
5部:14時00分~14時45分 1,000円
6部:15時00分~17時00分 1,000円

天空の所感

有名サークルさんがどんな感じで出しているのかなーと遠目で観察するのが主だったので、滞在時間はあんまりなかったです。
それぞれのサークルさんが手探りながら見た目と感染症対策の両立を目指していた感じでした。
参加サークルさんが軒並み有名所だったので、それぞれのサークルさんの滞在時間は少なかったんですが、これを一個一個説明を聞くと45分は全然足りないだろうなぁという印象。
あと、8月の東京でマスク+フェイスシールドはだいぶ辛いと思いました。

■北海道ボドゲ博2.0

開催情報

開催日時:2020/8/21
参加サークル: 午前の部:23サークル 午後の部:25サークル
参加者:累計253人

密に関する対策

午前、午後それぞれの部を更に4つのラウンドに分けてそれぞれ完全入れ替え制になっておりました。
1ラウンド50分、ラウンドの間が10分

その他感染症対策

・フェイスシールドをサークル参加者全員に配布
・当初予定していたよりも間をとるために、午前午後の2部制にし、参加サークル数を半分に

チケットの区分、価格

午前の部、午後の部各4ラウンド
1ラウンド 50分

チケットの価格:各800円

天空の所感

北海道ボドゲ博は当初7月半ばに開催予定だったのですが、コロナの影響で1ヶ月延期
この時期に開催できました。
各ラウンドで、50分らめるさんのメドレーソングが流れていて、とても軽い気分で回れました。
ただ、フェイスシールド+マスク+BGMで声の通りはいまいちでした。
翌日ちょっと喉がやられ気味でした(汗

各ラウンドの間10分でトイレや水分補給ができたのがとても良かったです。
あとセコマのおにぎりの差し入れがとてもうれしかったです!
あと、前日や当日の打ち上げで美味しいものが食べられるのがとても体にしみました。

■ゲームマーケット2020秋

開催情報

開催日時:2020/11/14、15
参加サークル: 2日合計678サークル(土曜日:570サークル 日曜日:401サークル
参加者: 土曜日:8100 日曜日:5200

密に関する対策

参加サークルの数を従来よりも減らし、1サークルあたりのスペースを拡大

入場者を午前、午後で完全入れ替え制にした上で、
それぞれでも入場時間を分けることによって、なるべく密集を防ぐ

また、入場口も分裂させ、なるべく密を作らないようにしていました。

その他感染症対策

ちょうど自分のサークルスペースの目の前にあったので、
記憶に残ってたんですが、手洗い場が設置されてました。
マップでみたときに手洗い場ってなんだ??ってなってたんですが
ガチの手洗い場でした。

チケットの区分、価格

【午前の部】
1部:10時~13時(180分滞在可能):価格¥3,000:チケット数1,500枚
2部:11時~13時(120分滞在可能):価格¥2,000:チケット数1,500枚
3部:11時半~13時(90分滞在可能):価格¥1,000:チケット数1,500枚

【休憩・消毒・換気】
13時~14時

【午後の部】
4部:14時~17時(180分滞在可能):価格¥1,500:チケット数1,500枚
5部:15時~17時(120分滞在可能):価格¥1,000:チケット数3,000枚

天空の所感

やはり、大きい会場で色んな人がいる感じすごいいいですよね!
土曜日に体感2015年くらいの人口密度だったなぁと思ったら公式発表も同じくらいの人数でちょっとびっくりしました。

午前午後の間に1時間あったことで休憩できたのはすごい良かったです!

あと、多分来場者側の時間が全然足らなくて、全部回るのは本当に難しいなと感じました。

■次回以降に向けての傾向と対策

ということで、今回の傾向から次回のゲームマーケット大阪を始めとするイベントでどう動いていこうか?
まで書かないとただの日記に終わってしまうかと思いますので、これ以下でそれに関して考察していこうかと思います。
ただし、これに関しては特に根拠がないので、参考になるかは不明です。

考察の流れとしては、一般参加者としてどう行動すればよいかを考え、予想される行動に対して、どうサークル側が合わせればよいか考えてみます。

一般参加者の行動に関して

まず、天空が一般参加者だとして、どう行動すればよいかを考えます。

行動の指針としては以下を想定しています。

  • 興味があるサークルの説明はしっかり聞いて考える
  • なるべく多くのサークルを回る
  • 事前に調べられるものに関しては調べる

サークルに関して、以下の割合で確認していくこととします。
説明を聞くサークル:4
事前に調査するサークル:3
通り過ぎるサークル:3

このときそれぞれのサークルでは、以下の時間を使うと仮定します。
※めんどくさいので移動時間や購入のやり取りを含めて考えてます。
説明をしっかり聞くサークル:3分(180秒)
事前に調べてたサークル:1分(60秒)
通り過ぎるサークル:30秒

1サークルあたりの平均時間 = 180*0.4+60*0.3+30*0.3 = 99秒

ゲームマーケット2020秋基準で最大滞在時間は180分=10800秒
なので、まわれるサークル数の期待値が約109サークル!!

ゲムマ2020秋の土曜日出店サークルが570なので、5分の1サークル…到底周り切れなさそうですね…

そこで、話を聞くサークルの割合を半分に変更してみましょう
説明を聞くサークル:2
事前に調査するサークル:4
通り過ぎるサークル:4

1サークルあたりの平均時間 = 180*0.2+60*0.4+30*0.4 = 72秒
まわれるサークル数の期待値が約150サークル

結構厳選しても全体の4分の1ですね…
2日合計でも670サークルなので、
土日2日参加、午前午後、両方フル参加でなんとか全部見切れるかどうかといった感じでしょうか…
なかなか厳しい戦いになりそうです…

ちなみに話をほぼ聞かないとして、購入するサークルは事前に調べていた、またはパッと見て購入を判断する場合、

説明を聞くサークル:0
事前に調査するサークル:5
通り過ぎるサークル:5

1サークルあたりの平均時間 = 180*0+60*0.5+30*0.5 = 45秒
まわれるサークル数の期待値が240サークル

ここまできてだいぶ現実的な感じになったでしょうか…
(説明を聞かないという事自体現実的はないですが)

ということで、考えると明らかに以下のことが言えます。

時間がない!!!

…なんか当たり前の話になってしまった。

そんなわけで、ガチでサークルを多く回ろうとすると、
当日時間がないということで、前日準備が大事になる気がします。

サークル側が取れそうな対応

ということで、一般参加者の時間がとにかくないということで、取れそうな対策をいくつか考えてみます。

  • 事前告知の強化(Twitter、Web、ゲームマーケットBlog)
  • サークルカットの情報の最適化
  • 目立つ!
  • 時間をかけないインスト
  • 来てくれた人を迷わせない!
  • 書いてみましたが、コロナ前でもやったほうがいいよっていう対策しか思いつきませんでしたOTZ

    各対策に関してはざっくりと自分なりの説明を入れていきます。

    1.事前告知の強化(Twitter、Web、ゲームマーケットBlog)

    まぁ説明不要ですかね。
    というより、HLKT工房よりもっとうまいことやってらっしゃるところは多いので、そちらを参考にしてくださいw

    ただ以下の項目に関しては、必ずそのページ内のたどり着ける場所に置いておいてほしいです。
    (RTやリンクで飛ばされてここはどこ??ってなる場合がなくはないので)

    • サークル名
    • サークルスペース(ゲムマで言えば土日どちらかか、両日かも)
    • 作品名
    • 頒布予定価格

    今回のゲムマでも、4つ全部ないことはめったに無いですが、どれか一つかけていて、わざわざググったり、ググってもわからなくて諦めたりが有りました。

    2.サークルカットの情報の最適化

    情報を載せすぎると目が滑る。足らないとどんなものかわからないということで、みさき工房さんの出していたあたりが良いんじゃないかなと思います。
    個人的にはゲームを2つ以上乗せたい場合はいくつかは外したりしたほうが良いかとも思います。

    また、事前予約を受け付ける場合は、サークルカットにQRコードを載せておくのもてかと思います。

    3.目立つ!

    説明不要!!
    当日気になったらとりあえず覗いてみる!!があるので、
    目立たないよりは目立ったほうが良いかと思います。

    それはそれとして、
    「サークルスペースの番号」と「サークルスペース名」
    はできれば目立つ位置にあったほうが良いかと思います。

    目的のサークルスペースが見つからないという悲劇も防げますし、
    ゲムマ自体ではノーチェックだったけど、そういえばこのサークル名聞いたことあるな
    っていうときのフックになったりします。

    なんなら、ゲームマーケットの会場に最初から貼ってあるサークルスペースの飾り気のない張り紙でもないよりマシかなと思ってます。

    4.時間をかけないインスト

    個人的に心がけているのは以下の流れです。

    1. まず興味を惹かせるワンフレーズ(主にフレーバーを伝える)
    2. どういうゲームなのかを3行で(メカニクス、売りを伝える)
    3. 興味を持ったら20秒でゲームをざっと伝える

    個人的にはこんな感じがいいかなと思っています。
    自分もですが、興味を持ってくれるとついつい早口で情報を詰め込んでしまうのですが、
    それよりも細かい例外処理を省いてゲーム全体のイメージが膨らむようなものを目指しています。
    細かい部分は気になったら質問をしてくれると思うので、一方的に喋らないように気をつけてます。
    (たまに興が乗ってしまうと一方的に喋ってしまいますが)

    5.来てくれた人を迷わせない!

    今回HLKT工房の出品は拡張も含めると6つも並んでおり、
    ぱっと見て何が売りなのか、何を聞けばいいのかわからない状態になってしまっていたかと思います。
    この状態だと、来てくれた人は以下の思考順序をしなければなりません。

    1. どの作品を聞くか考える
    2. 聞いた作品の売りを考える
    3. 購入しようか考える

    これをいくつか(下手すると全部)行うと流石に頭がパンクしてしまいます。
    自分はよくやるのですが、悩むのに疲れるともういいやと諦めてしまいます。
    諦めて買う!というのはまずないかと思いますので、よくわからないから辞める
    となるかなと思います。
    そういった意味でも、いくつも商品を並べるというのはマイナスのほうが大きいかなと
    個人的には思っています。

    ■まとめ

    ということで、長々と書いてしまいましたが、ざっとまとめると以下の3点でした!

    • 2020年大変な年でしたね
    • ゲームマーケットのサークル全部回るのは無理
    • 出来ることを出来る範囲で頑張っていきたい

    長い時間お付き合いありがとうございました!!

    あと数時間で翌日ですが、次の「Board Game Design Advent Calendar 2020」はnannann2002さんです!
    お楽しみに!!