HELIKUTU KOBO

へりくつ工房はカードゲームを作ったり、 そうでもないものを作ったりしています

投稿者「天空 薙」のアーカイブ

天空 薙

サークル代表(雑用)の天空 薙です。 イラストとデザイン以外の仕事を主にしてます

4月1日なので…

こんばんは!
そしてお久しぶりの方はお久しぶりです。
天空 薙です。

ここ最近めったにブログを書かなくなり、HLKT工房のWEBページも荒れ放題になってしまっておりますが、たまには書かないとなぁと思いブログを更新しております。

久しぶりに更新するということで、エイプリルフールなら適当なこと書いても許されるだろう!と毎年適当なことを書いていた時期もあるため、適当に今年のやりたいことを書こうと思います!
言葉にすると後に引きにくくなりますしね!(笑

今年(2025年4月~)やりたいこと

ゲーム制作に関して

とりあえず、今年1~3月で3カ月連続で「ダンジョン-モノ」「トリックスミス」「ザ・ギルドオブキングダム」と3作リリースできたのですが、可能であればこのペースでイロイロ出していきたいなーと思っております。
とはいえ、HLKT工房名義だけではなく、昨年秋から「アトランティスゲームズ」という箱を作ったのでそちらでも何かしら出せたらなーと思っております。
また、WithToken様の第一回With Token Board Game Contestとかもあるので、そういった製品にしないものも含めて、月1本を目標に活動をしていこうと思っています。

他にも特定のイベント向けに新作作ってみたりいろいろやってみようと思います!

このサイトに関して

記事の整理やら、Webのトップページの調整やらをやりたいです
特に作品一覧が見にくいのでなんとかしたい…
あと作品あったりなかったりがあるので、その辺も含めてちゃんと作るようにしたいなぁーと思っております。
作るにあたって、テンプレートを用意したり~みたいな省力化作業も合わせてやりたい気持ち…気持ちはあります!(

SNSの運用に関して

現在Xのみの運用ですが、
ブルースカイとかmixi2とかインスタグラムとかフェイスブックとか他にもSNSがあるのでそちらでもお知らせを出せるようにしたいなーと思ってたりします。
こちらも運用コストが高いので、まとめて投稿できる仕組みが欲しい…けどなさそうなので作りたい…たい…

丁合に関して

これもずっと言ってますが、丁合の自動化もしてみたい…
とりあえずカードを数える機構は実在しているので、あれ作れないかなーとずっと考えてます。
なかなか手を動かすタイミングがないのもあって、できてないのですが、やりたい…たい…

終わりに…

ということで、特に脈絡もなく頭の中のものを吐き出した感じではありますが、天空のやりたいこと的にはこんな感じですー
まぁゲーム制作に関してはもっと細かいことは言おうと思えばいえるのですが、今年で収まりきらない部分も出てくるかなと思いますので、そこ含めてゆっくりやっていこうかと思います。
これからもよろしくお願いいたします!(笑

さっぽろ卓ゲっとの申し込みがあるのでこの辺で~
天空 薙でしたー

新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。

今年もHLKT工房の変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

ということで、2025年も頑張っていこうと思います。

今年やりたいことをつらつらと書いていこうと思いましたが、とりあえず以下かなぁと思ってます。

・HLKT工房のWebサイトをきれいにする
→何年も言っているけど、ごちゃごちゃしてきちゃっているので、きれいにしたい
・ゲームを作る
→頑張ります。
・イベントに出る
→とりあえず昨年9月はしゃがんでいたので今年はいろいろ行きたい

と例年とあまり変わらない気もしますが、やれることをやれるだけやっていこうかと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします!

ということで、天空 薙でしたー
おやすみなさい

ヘクスマップにおける双対グラフへの変換と応用への一考察

この記事はなに?

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2024の22日目の記事として書かれました。

こんにちは。
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
HLKT工房の天空 薙と申します。
以後お見知りおきを!
ここ数年12月22日に記事を書いていたはずなのに、今年はナチュラルに登録した日を23日だと思い込んでギリギリになってしまいました!ごめんなさい!!

アドベントカレンダー登録時には、「ゲームマーケット2024秋に無人販売所を作ってみた」という記事を書くつもりでしたが、このアドベントカレンダーの1日目、戸塚中央さんの「 ヘクスマップのインタラクションについて」を読んで本記事の内容を思いついたので記事の方針を切り替えました。
突貫で作成した記事ですので、粗もありますが変なこと考えるやつがいるなぁくらいで見てやってください。

ヘクスマップの双対グラフへの「ズラし」

先程紹介した戸塚中央さんの記事では、ヘクスマップの図形的な要素(面、辺、点)及び、それらの一時的な占有(共有)、永続的な占有(共有)という切り口でプレイヤー間のゲームを分類でき、それらの要素に対して、「ズラし」をすることで別のゲームとして形になるのではないか?という発想で書かれています。
この「ズラし」の1形態を考える際に、せっかく六角形を充填された図形を用いるので、幾何学的な知見が使えないかと考え、図形の「面と点」を入れ替えた図形「双対グラフ」を考察してみると面白いのではないかと考えました。
小さいヘクスマップを考え、その双対グラフ(正三角形を充填したマップ)上でカタンのルールを置換してみました。

双対グラフについて

今回の話の中心になる双対グラフに関して紹介します。
定義としては

グラフ理論において平面グラフG双対グラフ(そうついグラフ、: Dual graph)とはすべての頂点がGの各面に対応するグラフである。G双対Gの面どうしをつなぐ辺があるとき、それに対応する辺を持ち、辺の両側が同一面である場合、自己ループ英語版)する。Gの各辺eは対応する双対辺をもち、この辺はGの面に対応する双対頂点どうしをつなぐ。双対は平面グラフ(すでに平面への埋めこまれているグラフ)についての性質である。

Wikipediaより引用

と、小難しいことが書かれておりますが、誤解を恐れずざっくりと説明すると
「面を点に点を面に入れ替えた図形」を双対グラフと言います。
言葉だとわかりにくいと思うので、小さいヘクスマップで図示してみるとこのようなものになります。

黒い線が元々のヘクスマップ
赤いものが双対グラフのようなものとなります。
なぜ、”のようなもの”とついているかというと、黒い線の外側は1つの面として考えられるため、
下記の図の〇部分は1つの点としてくっついていなければなりません…(がヘクスマップを考える際にその外側も六角形が広がっていると考え、見やすさも考慮して今回はこの図を使っていきます。

双対カタンを考えてみる

小さいヘクスマップとそれの双対グラフを作成したので、この小さいヘクスマップ上でカタンっぽいものを考えてみます。
カタンは多くのルールがありますが、単純化のため下記のルールだけ抜き出します。
(道のルールとかまで入れると話がややこしくなるので、とりあえず以下の3つだけ)

  1. 面には資源と数字が割り振られている
  2. 点上にはプレイヤーは開拓地コマを置くことができる
  3. 同じ辺を共有する形で開拓地コマを置くことはできない

この状態をミニミニカタンと呼びます。
ざっくりと図示すると下記のような形になります。(ルール1に関しては図の簡略化のため、〇で表しています)

このミニミニカタンを双対グラフ上へ移動させます。
双対グラフでは面→点、点→面と変換するため、ルールとしては下記のようになります。

  1. 点には資源と数字が割り振られている
  2. 面にはプレイヤーは開拓地コマを置くことができる
  3. 同じ辺を共有する形で開拓地コマを置くことはできない

これを先ほどの図に重ねてみますとこのようになります。

そして、コマをタイルにして、ミニミニカタンの要素を消すと…

といった感じで、元々カタンだったとはぱっと見わからない形になっているかと思います。
また、ルールの「3.同じ辺を共有する形で開拓地コマを置くことはできない」に関しては、双対カタン上では、「タイルに隣接する形でタイルを置くことはできない」と読み替えることができます。

まとめ

ということで、ミニミニカタンに対する双対概念である、双対カタンがあるとしたらどういった形になるかを考えてみました。
このままではすぐ何かに使える!というアイデアではないですが、ちょっと面白いことができそうだなということで、作成してみました。
こんな感じのズラしもおもしろいんじゃない?という天空からの提案となりました。
ヘクスマップでお悩みの方!三角形の敷き詰めマップ(名前を知らない)なんてどうでしょう!(笑

最後に

最後になってしまいましたが、今回の記事の着想となった戸塚中央さんへ感謝を述べさせてください。
あと、次回作楽しみにしてます!(私信)

あ、ちなみにスクエアマップの双対グラフはスクエアマップになります

明日のBoard Game Design Advent Calendar 2024はUkiUkiさんの「好きじゃなかったトリテを今年2作品作ったことについて」です!
お楽しみに!!

クソゲーを作った話

■この記事はなに?

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2023の22日目の記事として書かれました。

こんにちは。
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
HLKT工房の天空 薙と申します。
以後お見知りおきを!

毎年参加させていただいているこの企画ですが、ゲームデザインよりも同人ゲームの頒布に関してが多かったので今年はゲームマーケット2023秋で頒布した「クソゲーRTA」デザイナーズノート的なものを書こうと思います。

誰かに読んでもらうよりも、自身の備忘録的な側面が強いですがよろしくお願いします。


この記事はざっくりと二部に分けております。
前半はシステムの話システムが1回転半ほど変わったので、その遍歴とそれぞれでどういう選択をしたかを書こうと思います。

後半はテーマの話
テーマ上「ゲームをする」ゲームになったため、どういう構造なのか、またキャラクターを発注するにあたって、どんな感じで設定を考えたのかみたいなのを書いていこうと思います。

■システムに関して

今回のクソゲーRTAにはざっくりと3つの期間が存在します。
それぞれの期間ごとのシステムが変わっているのでそれぞれでどうしたかったのか、その時の問題点などを思い出せる範囲で記載していこうと思います。

■期間①:クソゲーコンペ

このクソゲーRTAの構想自体は2021年3月にまでさかのぼります。
元々は小説家になろうで発表された小説原作で、週刊少年マガジンで連載中の『シャングリラ・フロンティア』の企画であるクソゲーコンペに応募しようとしたものが発端となります。
『シャングリラ・フロンティア』”七つの挑戦” プロジェクト始動!

残念ながら、このコンペには間に合わず一旦はお蔵入りすることになりました。

■期間②:みさき工房杯

翌年の2022年8月の『みさき工房杯』に応募しました。
(当時はクリムゾン ソード the gameという名称でした)
こちらで優秀賞を頂きました。(が、最優秀賞には一歩届かず)

最優秀賞とはならなかったものの自身で製品化を進めようと決めました。
ただ、この時点で2022秋と2023春向けはざっくりと走り出していたため、リリースを2023秋として、製作をはじめました。

■期間③:ゲームマーケット2023秋リリース版

そして、今回2023年12月にクソゲーRTAとしてゲムマ2023秋に発表いたしました。
実際に動き出したのはゲムマ明けの2023年6月からでした。
そして完成したものがこちら

ケースとパッケージがとても良い感じにできました!(自画自賛)

以下では、上記の三つの期間に関してそれぞれのシステムの遍歴をざっくりと紹介します。
(各期間内でもいろいろ変化はしております)

■期間①:クソゲーコンペ (〜2022.3)

■コンセプト

「ゲームの周回による最適化」
「バグの組み合わせによるコンボの気持ちよさ」
「資源超過、無限ループによるバースト要素」

■ゲーム内マップ

モノポリー的な周回可能な世界でループ
各マスで資源を支払い、報酬を得ます。

資源の支払いができなかった分マイナス点(時間経過)
一番マイナス点が少ない状態で一周できたプレイヤーが勝利

■バグ表現

1バグ1カード
プレイヤーが行動するとバグカードをランダムで獲得する
カード毎に発動条件があり、その発動条件を満たすと何かしらの効果を得られる

■ゲームの進行状況

順番に1プレイヤーずつターンを進行する

■ゲーム終了条件

1週を規定ターン以下でクリアする

■コンセプトの実現方法

「ゲームの周回による最適化」
→ランダムで手に入るバグを組み合わせて、文字通り周回毎に最適化を目指す形に

「バグの組み合わせによるコンボの気持ちよさ」
→資源数を少なくして、噛み合わせの良いカードや発動条件が緩いカードを多くして、カード枚数あたりの発動回数を増やすことでコンボ感を実現しました。

「資源超過、無限ループによるバースト要素」
→ここは一つ売りにしたかったポイントです。
前述のコンボの気持ちよさを追及しすぎると資源超過やカードの無限ループによってバーストしてしまうため、そこの調整が必要になるのがこのゲームの肝としたかった部分です。
(最終的には無限ループの要素が外れました)

■反省点、改良点

  • バグの制御、運ゲー感
    →増えるバグがランダムなため、運ゲー感がとても強かった。
  • バグの管理が煩雑
    →バグの枚数が多い上に、バグ毎に発動タイミングがバラバラであったため、管理がとても煩雑になってしまった。
  • 終了タイミングの不安定さ
    →終了条件が不明瞭だったこともありますが、プレイヤーがいつ終わるかの予想が付けづらく、あと何週すればよいの??となりがちだった。
  • 無限ループの判定
    →無限ループになっているのかどうかの判断が難しい…

■期間②:みさき工房杯 (〜2022.8)

■コンセプト

「ゲームが進んだ時の加速感」
「同じゲームを遊んでいる感覚がある」
「資源超過、無限ループによるバースト要素」

■ゲーム内マップ

スタートとストップを明確にした複数ルートのマップ
プレイヤーはエリアを選択しながら、移動先のエリアをクリアして、報酬を受け取ります。
今回は支払えるパターンが複数あり、少なくとも時間を消費することでクリアできるという形になっています。


■バグ表現

ゲーム内報酬の変化によるバグ表現
それぞれクリア時に獲得できる資源が変わってゆきながらインフレしていく構造になっています。

■ゲームの進行状況

順番に1プレイヤーずつターンを進行する
エリア毎に要求されている資源を支払う
足らない分失点
エリア毎指定された報酬をゲット
報酬は全プレイヤーで共有
このバージョンでは、プレイヤーごとのバグカードは存在せず、報酬の受け取りが変化していく形

■ゲーム終了条件

規定回数エンドエリアに到達(各プレイヤー1~2回)

■コンセプトの実現方法

「ゲームが進んだ時の加速感」
→各ターンで得られる資源がどんどん増えていく

「同じゲームを遊んでいる感覚がある」
→全てのプレイヤーが共有する報酬テーブルの変化によって実現

「資源超過、無限ループによるバースト要素」
→それを超えたときのバースト時および、報酬にジャンプ命令を入れることで報酬テーブルを周回する形にし、無限ループを発生させる。(実際には無限ループではなく、ループ発生時にバーストする形とした)

■反省点、改良点

  • 収束性の悪さ
    →バースト時にセーブポイントまで戻るというルールがあったため、バグが増えてくるとセーブポイントから抜け出せないというリアルバグのような挙動になってしまった。
  • 戦略性の薄さ
    →バグをプレイヤー全員で共有していたため、プレイヤーごとの選択の幅が少なく戦略性がなかった。
  • 見通しの悪さ
    →前のバージョンでもありましたが、いつ終わるかが分かりづらい部分があり、そこがストレスでした。
  • 報酬の煩雑さ
    →前のバージョンのバグの管理よりは改善したものの、依然としてここでクリアしたときに何が得られるかが分かりにくく、それが、前の項目の「見通しの悪さ」にもつながっていました。

■期間③:ゲムマ2023秋 (〜2023.12)

■コンセプト

「バグの組み合わせによるコンボの気持ちよさ」
「資源超過によるバースト要素」
「同じゲームを遊んでいる感覚がある」

■ゲーム内マップ

スタートからエンドまでの一本道

■バグ表現

1バグ1カード
プレイヤーが行動するとバグカードを場から1枚獲得
発動タイミングがターン開始時とエリアクリア時にあり、
それぞれのスロットにカードを置く

■ゲームの進行状況

順番に1プレイヤーずつターンを進行する

■ゲーム終了条件

全員がゲームクリアをするか脱落する

■コンセプトの実現方法

「バグの組み合わせによるコンボの気持ちよさ」
→発動条件を揃えることで、組合せしやすくした
また、複数回コピーするというカードを作成することで、爆発的なインフレを起こすことを意図して行った。

「資源超過によるバースト要素」
→最大値、最小値を下回った場合の処理としてペナルティを入れることで、上記のインフレを起こしすぎるのを抑制した

「同じゲームを遊んでいる感覚がある」
→隣接しているプレイヤーの資源状態などを参照したり、プレイヤーに資源を配るという効果のカードをいれることで、間接的なインタラクションを実現した

■反省点

こちらが完成版なので、今までの反省点は改良できたかなと思いますが、前2つのバージョンのバグによるアンコントラブルな感じが落ち着いてしまったのが個人的には残念ポイントではありました。
ただ、ゲームの収束性との兼ね合いがつかなかったので諦めましたが、今後何かしらその面白さを出せる何かが作れるとよいなぁと思っています。

■テーマに関して

想像以上にシステムの話が長くなったので、テーマの話は軽めにしましょう
まず「クソゲーRTA」の分かりづらい構造に関して説明します。

  • クソゲーRTA:今回発表したアナログゲーム
  • クリムゾンソード the game:アナログゲーム内でプレイしているデジタルゲーム(バグが多い)
  • クリムゾンソード:クリムゾンソード the gameの原作となっている少年漫画のタイトル

元々、ゲーム内ゲームを遊ぶという時点で分かりづらい構造だったのですが、バグの多いクソゲーというテーマである以上、「漫画原作付きのゲーム」という設定を入れておきたかった経緯があります。
※漫画原作付きのゲーム=クソゲーの構図がわからない方は幸せな世代なので、そのまま過ごしていただければ幸いです。

そこにこだわった結果テーマが「漫画原作付きのバグだらけのゲームをRTAするゲーム」というよくわからないモノになりました。

漫画原作付きのゲームなので、タイトルの最後に「the game」とつきました。
ちなみに「クリムゾンソード」の由来ですが、頭文字を取ると「クソゲー」となるように何がいいかなーという話をテストプレイ後の雑談でしていた時に符亀さん(@Hu_games)が出してくださった案の「クリムゾン」「ソード」が採用されました。
バグが多い「クリムゾン」だったり「ソード」なゲームを知っている方はいらっしゃるかと思いますが、それらを想起させるとても良い名前になったと思います。

ということで、この難解なテーマが出来上がりました。

<おまけ>

このテーマで六月先生にキャラクターを書いて頂くにあたり、発注書の作成に関して下記のようなことをしました。

①思い当たる少年漫画のメインキャラクターの構成を書き出す

メインキャラクターの関係性って結構テンプレとしてあると思っていて、そのテンプレっぽさを出せないかなと思い、書き出しを行いました。

例:ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ
ダイ、ホップ、マァム、ヒュンケル
烈火、柳、土門、風子、水鏡、小金井

→これらを参考に発注キャラクター(5キャラを想定)のポジションを決める

クリムゾンソードでは、「主人公」「友人」「ライバル」「ヒロイン」「トリックスター」の5人となりました

②漫画のプロットを書く

何を言っているかわからないと思いますが、自分も分かってないです。

とりあえず、どんな物語でどんな感じの関係性のキャラクターかがイメージ出来ず、キャラクターの発注書がまったく作れなかったので、漫画をでっち上げる!という暴挙に出てました。
ちなみに世界観設定と32話くらいまでのざっくりあらすじ(コミック1巻分を3~5行でまとめる様な感じ)を作ってイメージを膨らませてキャラクター発注をいたしました。
ちなみに文字に起こしたら1700文字くらいだったので、言うほど書けてないですね(苦笑)

③発注書を書く

発注書では、イメージに近いキャラクターだったり、服装のイメージをまとめて依頼しました。

実際に依頼した発注書の一部(画像とかはネット上で拾ったものだったりするので、ピンクの四角でマスクしてあります)


④キャラクターができる

かわいい、かっこいい、かんぺき!

■終わりに

ということで、「クソゲーRTA」のシステムの変遷とテーマ、発注の話をざざざっと紹介しました。
説明不足なところもあるので、もし興味ある方はあったときなどに聞いていただければと思います!

ということで、明日はPRAさんの「「フォアシュピール」というゲームについて」です!
お楽しみに!!

即売会におけるゲーム販売モデルと同時販売に関する一考察

【日付誤記載のお詫び】

天岩庵アライアンス合同誌“Do It Themselves”に寄稿予定で間に合わなかった本稿ですが、“Do It Themselves”ですが、2023年12月9日掲載予定と記載のところ、2024年12月9日となっておりました。
心よりお詫び申し上げます。

【2024.5.6追記】

2023年内の予定といっていましたが、いろいろ記載やっと記載しました。

前回の内容

こちらの文章2023年12月9日に間に合わなかったため、年内目標で記載させていただく予定です。
記載時のお知らせはXなどでお知らせしますので、
ぜひフォローください。


【本文】

初めましての方は初めまして。
お久しぶりですの方はお久しぶりです。
HLKT工房の天空 薙と申します。

この記事は天岩庵アライアンス合同誌“Do It Themselves”に寄稿予定で間に合わなかった原稿になります。

この記事では、即売会における販売モデルとして、単純な数式を元に頒布数の想定値を計算し、作品が複数の場合どうなるかを考察いたします。
もちろん数字に関してはかなり適当なものになり、現実には即しておりませんが、一つの指標にはなるかと思いますので参考になればと思います。

単純なゲーム販売数モデル

販売数のモデルということで、購入するきっかけ別で2つに分けるところから始めてみようと思います。
イベントでのゲーム販売数 = イベント外で購入を決めた数(α)+会場で説明を聞いて購入した人数(β)

今回、同時販売に関しての考察をするため、主にβの方を掘り下げていこうと思います。
なので、以下の過程に基づいてβの理論値を計算してみようと思います。

■理論値計算のための仮定

理論値計算のために、下記のような条件を置きます。
いささか現実味のない条件ではありますが、今回は作品の数によってどう売れ行きが変わるかが焦点なので、それ以外の条件が計算の簡略化のため行います。
本稿では、これを販売の理想状態と定義します。

  1. 作品の説明のために1分間かかる
  2. 必ず説明は1人ずつ行う
  3. 説明が終わったらすぐ次の人に説明をする
  4. 説明2回につき1回購入される
  5. ゲムマ1日分(11:00~17:00の6時間=360分)ずっと説明をする

単品の販売の場合

まずは、1作品しかない場合この場合は簡単かと思います。
ひっきりなしで、説明をして販売を行います。
説明回数:360回
販売個数:180個

いささか、現実離れした数字にも感じますが、一旦これを理論値として置いて置きましょう。

2作品販売の場合

次に2作品販売の場合ですが、
販売する作品を作品①、作品②とします。
これらは両方とも同じ価格、同じくらいの売れ行きとします。

▼説明の回数に関して
説明回数に関しては、下記の3パターンが考えられますが、それぞれ同じ回数行う想定をします。

A1:作品①のみ説明を聞く(所用時間:1分)
A2:作品②のみ説明を聞く(所用時間:1分)
B:両方の作品の説明を聞く(所用時間:2分)

なので、それぞれの説明回数をa1,a2,bとすると、下記の連立方程式が成り立ちます

a1+a2+2b = 360 …① (a1,a2,bそれぞれの説明時間の合計が360分になる)
a1=a2=b …② (a1,a2,bはそれぞれ同じ回数を行う)

ざっくりと連立方程式を解きます。
b+b+2b = 360 …①を②に代入
4b= 360
b=90 …③
a1=a2=b=90 …③を②に代入

上記より、それぞれの回数は以下になります。
a1:90回
a2:90回
b:90回

▼販売数に関して
販売数に関しては、上の条件4および、同じくらいの売れ行きということを考慮し下記の割合で販売するとします
両方売れない:50%
作品①のみ売れる:16.66%(50%の1/3)
作品②のみ売れる:16.66%(50%の1/3)
両方とも売れる:16.66%(50%の1/3)

そうしますと、前の説明回数と合わせて販売個数は下記のようになります。
作品①:a1*50%+(bの作品①のみ売れた場合)*16.66%+(bの両方売れた場合)*16.66% = 75個
作品②:a2*50%+(bの作品②のみ売れた場合)*16.66%+(bの両方売れた場合)*16.66% = 75個

ということで考察

1作品の時の販売数:180個
2作品の時の販売数:75個+75個=150個
30個の差が出ることが分かりました。

この差に関しては、もう少し細かくみてみます
2作品の説明をした場合のa1,a2(どちらか片方の説明をしている場合)に関しては、1作品の時と挙動が一緒のため、差が出ているのはb(両方の作品の説明をしている場合)の90回部分が大きいかと思います。
1作品の場合は、このbの間に180回の説明を行えているため、純粋に説明回数がbに比べて90回多く、
その分45個多く販売していることになりますが、差が30個であるのは、2作品販売時に2個同時に売れるパターンの15個分多いためとなります。

ここで、もし1作品が2作品と同じ説明回数だった場合を考えてみると、
説明回数が、270回、販売個数135個
こうすると逆に15個分2作品販売時のほうが多いことになります。

ということで、ざるな計算ではありますが一旦の結論としては、下記になるかと思います。

「説明回数が一緒であれば、1作品よりも2作品並べたほうがよい」

並べた場合、2作品同時に購入された分だけ売上個数が上昇することが期待できるでしょう。

所感

ということで、長々と考えてきて最終的には当たり前じゃん?みたいな話に落ち着いてしまいましたが、まぁそういう結果が出たのも一つの成果として生暖かく見ていただければと思います。

そして、今回仮定として置いた条件は結構ザルなものが多いため、もっと詳細な条件付けや細かいパターン分け、これが3作品4作品になった場合にどういう挙動になるか?
みたいなものも計算してみても面白いかなと思いますが、それはまた別のお話で…

強引な計算が多分に含まれた理論なので真に受けず茶飲み話程度にしていただければと思います!
また、この条件は現実的にはこういう条件なのではないか?もっとこういう条件を考慮したほうがよいのではないか?などありましたら、ご意見いただいたり、ご自身で考察してみていただければと思います!(そして天空に共有いただけるとそこからまた考えが深まる可能性もあるかと思います)
そういうことで、「即売会におけるゲーム販売モデルと同時販売に関する一考察」でした!
長らくお待たせいたしまして大変申し訳ございませんでした。

こういった所感の最後は謝辞で締めくくるのがお決まりなので、
こういった面白い記事を書く機会をくださった、天岩庵アライアンスの皆様、特に「脱稿のお知らせ」なんぞふざけた記事を掲載していただき、天岩庵アライアンス合同誌“Do It Themselves”のDTPをしてくださった久遠堂様にはこの場を借りてお礼を申し上げます。
また、なんだかんだここまで長く続けられたのはHLKT工房のゲームをプレイしてくださっている皆様のおかげと考えておりますので、深い深いお礼とついでに今後のご愛顧もよろしくお願いできたらと思います。
あまり真面目なノリも肩がこるのでこの辺で!
またどこかでお会いしましょう!
天空 薙でしたーノシ

ゲームマーケット2023春お疲れさまでした。

こんばんわ!
HLKT工房の天空です。
書こう書こうと思っていたのですが、気がついたら1週間立ってしまったゲームマーケット2023春に関してせっかくなので記録を残しておこうと思いブログにしました。

ブログにしようと思ったきっかけですが、今年でHLKT工房が10周年を迎え、それに伴い冊子を作成しました。この冊子を作成するに当たり、昔こまめに書いていたブログを読み返す機会がありました。
当時考えていたことや、何をしたかなどを書いていて当時の想定以上に有用だったので、イベント毎くらいには思ったことなどを綴っておいても良いかな〜と思ったのがきっかけです。

ゲームマーケット2023春で、HLKT工房が何をやったかざっくりと紹介します。

【頒布作品】

  • 「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」
  • 「筋肉(マッスル)テイキング」
  • 「魔王城でカンパイ」
  • 「あわてんぼうのサンタクロース」
  • (裏メニュー)「Magic Item Diffusion」
  • (裏メニュー)「ゲ△▼チャレンジ0」
  • (裏メニュー)「HLKT工房10周年記念カタログ」

裏メニューに関しては、5月第2週(ゲムマ直前週)に印刷したものばかりで、天空本人も詰め込み過ぎたなという反省ばかりです。

【参加企画】

  • 「ナイトフラワーズ」✕「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」コラボカード頒布
  • 橙華堂さんのパッケージスタンプラリー
  • 十華祭さんに「HLKT工房10周年記念カタログ」の出品
  • 四等星さんのゲムマチャレンジガチャへの出品
    (あわてんぼうのサンタクロース、Magic Item Diffusion、ゲ△▼チャレンジ0)
  • ゲムマチャレンジへの出品
    (あわてんぼうのサンタクロース、Magic Item Diffusion)
  • チャック袋チャレンジの登録
    (あわてんぼうのサンタクロース、Magic Item Diffusion)
  • ボドゲゴーさんのリアル友達探し
  • TUKAPONさんの福袋企画
  • 天岩庵アライアンスのチラシ裏企画

といろんな企画に参加させていただきました!
その説は皆様お世話になりました。

その上でまず良かった点について!

①サークルスペースのデザイン

こちらに関しては、今回特別に宮本アシタさんに依頼してデザイン、設営をしていただきました!
天空はいつもだいたいこの辺必要だろうと感覚で準備して、当日手なりで設営してしまうのですが、アシタさんは事前に打ち合わせしていただき、こんなイメージで考えていますというプランの共有、すり合わせをしていただきました。
その過程や当日の設営をみて、自分もまだまだ工夫できる部分はいっぱいあるなというのを思い知りました。

ゲームマーケット当日のHLKT工房のブースの様子

②説明ボードの作成

こちらもアシタさんがブースデザインの一環で作成してくださったものですが、ゲーム説明用にカードなどを貼ったボードを作成してくださいました。
今までHLKT工房ではいちいちカードを広げながら説明していたのですが、これがあると一瞬でゲームの盤面ができるので、説明に移るまでの時間が格段に早くなりました。

③搬入個数

これに関しては、完全に運が良かっただけでしたが、今回HLKT工房がメインで押していた「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」に関しては残数12個(うち10個はそのままメロンブックス様に委託させていただきました)とほぼ完売、個人的には理想の結果になりました。(売り切れはせっかく来てくださった人に売れなかった可能性があるので)

続いて反省点

①予約の照会

今回ありがたいことに、例年の3〜5倍の取り置き予約を頂きまして、いつも名前だけで照会していたのですが、名前だけの照会だと聞いてそれを名簿から探すのに結構戸惑ってしまった感があります。
次回からはこちらから予約番号を発行するまたは、予約時に予約番号を入れてもらうなどの対応をする必要がありそうです。

②列の流し方に関して

①に関連してくるのですが、取り置き予約の方の照会で詰まる→次の人が待つという負の連鎖が起こってしまい、列ができてしまいました。
ここに関しても、列の方向を予め決めておけばよかったのですが、それができず隣のサークル様に迷惑をおかけしてしまいました。
ブースの机にそう形で列を流すなど対策はできたかなと思います。

③当日の動き方に関して

せっかくアシタさんがいい感じにデザインして、事前にここにこんなものを置く予定です!みたいなものを作ってくださったのに、それに対応して動く想定があまりできてなかったです。
結果、レジのいちや説明者のいちが若干ちぐはぐになってしまい当日の動きがぎこちない部分が散見されたのが残念ポイントでした。

まとめ

ということで、ゲームマーケット2023春のHLKT工房のまとめでした。
誰かに向けて〜とかそういう高尚なことは考えてなく、ただただ5年後10年後に自分が見返したときに当時の考えとか役に立てばよいなーという気分で書きました。
せっかくのブログスペースがあるので、月一とかイベント毎とかそういうスパンで更新できたらいいなぁと思いつつどうせまた更新しなくなるんだろうなと思っていますw
更新したときはTwitterなどでお知らせしますので、たまに覗いてくださると嬉しいです。

それではまたお会いしましょうー

■おまけ

ゲムマ翌日に秋葉原のイエローサブマリンさんにお邪魔したら新作コーナーに「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」があったのと、(少し前から気がついてはいたのですが)HLKT工房の作品がひとまとめになっておいてくださってました。
イエローサブマリンさんにお邪魔するたびに自作のゲーム置いてあるかウロウロするのが習慣なので、まとめてくださるとめっちゃ嬉しいです

(ちなみにHLKT工房コーナーとかじゃないので、別のサークルさんの作品もちらほら写真に写ってます

祝!10周年!!

こんばんわ!
HLKT工房の天空です。
C101を持ちまして、HLKT工房が10周年となりました!
(初参加が2012年の冬コミなので、丸っと10周年)

これもひとえに皆々様のお陰と深く感謝しております。

まぁ正確な話をすると、HLKT工房の処女作である「名状しがたいクトゥルフスープのようなもの」はHLKT工房という名前ができる前に完成した作品なので、本当に10周年と言えるのかは怪しいところではあります。(笑)

といっても、追加で何か作りたいとなってサークルとして立ち上げたのが1月なので、ほぼ誤差のようなものです。

来年の抱負としては、10年間の活動を振り返る何かを作りたいなぁと思いつつあまり肩肘張らずに11年目も活動していこうと思います。

ということで、これからもHLKT工房と天空 薙よろしくお願いいたします!
天空 薙でしたー

ボードゲーム即売会事情2022

■この記事はなに?

この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2022の22日目の記事として書かれました。

こんにちは。
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
HLKT工房の天空 薙と申します。
以後お見知りおきを!

この記事では、直接ボードゲームデザインと関係ない部分ではありますが、2022年に天空 薙が参加したボードゲーム即売会イベント(13イベント)の総括と感想をしようかと思います。
それを通して、来年以降の即売会の参加指針の一つになれば幸いです。

■いきなり総括

ということで、いきなりではありますが、HLKT工房が2022年に参加した即売会イベント一覧をご覧ください。
※体験会とかも出てますが、その辺は話の趣旨からずれちゃうので除いてます

来場人数は公式発表をとってきております。
頒布数を直接書くと生々しいところが出てしまうので、参加人数で割らせていただきました。(笑)
それが頒布人数比になっています。
どうしても気になる方は逆算してください。

イベント名日付来場人数頒布人数比分類
ボドゲガレージ2022Spring4/9不明中規模
ゲームマーケット2022春4/23-4/24160000.23%大規模
名古屋ボードゲーム楽市5/62959.15%中規模
千葉ボドゲーン万博5/28865.81%中規模
異世界まぁけっと6/18不明その他
秘密の地下室で逢いましょう6/25不明その他
北海道ボドゲ博7/163004.00%中規模
たちまちゲームマルシェ7/233414.40%中規模
ボードゲームフリーマーケットin川崎7/311651.82%その他
コミックマーケット1008/13850000.02%大規模
ボードゲーム大祭9/3-9/45872.90%中規模
アナログゲームフェスタ9/104102.93%中規模
ゲームマーケット2022秋10/29-10/30210000.56%大規模
HLKT工房参加イベント一覧

人数規模感が近いからというのもありますが、中規模イベントとラベルを振ったイベントでは、体感ではサークルに来ていただき、買っていただいた比率と頒布人数比がほぼ比例していそうな気がします。
※ゲームマーケットは×10、コミケは×100くらいするとほぼそのくらいという印象

逆説的にゲムマは来所者数の10分の1、コミケは来場者数の100分の1程度の中規模イベントと同等の販売効果ともいえるかもしれないです(がここは要検討)

個別のイベントを一つ一つ話していくと天空の個人的な日記になってしまいそうなので、表で分類した3分類の所感を述べていこうと思います。

【大規模イベント】

ここに該当するのは、ゲームマーケット、コミックマーケットと来場者数が万を超える大規模イベントを指しています。

大体のゲーム制作者さんはゲームマーケットがメインの販売となるかなと思いますし、HLKT工房も大体そうなっております。

そのうえで、余力がある方に個人的におすすめなのがコミックマーケット
「アナログゲーム」は無電源ゲームジャンルというジャンルになり、どちらかというとTRPGが目立ちますが、人通りはやはり多くゲムマに行くほどじゃないけど、アナログゲームもやるから他の買い物のついでに寄ってくれる方やジャケ買いしてくれる方がいるので思いがけない出会いがあったりしますので、ぜひご一考ください!

【中規模イベント】

今回の記事としてはここをメインに話したいなーということもあり書きました。
コロナ禍でゲムマが中止になったりしたこともあり、東京、大阪、名古屋以外でも各地で活発になってきたイベントが数多くあります。
天空自身があまり関西に出れなかったのですが、HLKTが出てない関西近辺のイベントも数多くあります。
その中で、天空個人的な感想としては、「東京から離れている方が熱気はすごい」です。
ゲムマが年2回あることを考えれば当たり前っちゃ当たり前なんですが、東京近郊(千葉ボドゲーンやアナログゲームフェスタなど)のイベントに来る方って、ゲムマにも来る人が結構いるんじゃないかなと思います。
そう考えるとHLKT工房のゲームを見て、ゲムマで買った、ゲムマで見ていて琴線に触れなかった人がいて、その分が頒布人数比に出ている可能性もあるなぁという所感です。

この辺に関しては簡単な数式モデルを作って定式化してみても面白いなぁと思いつつ、多分使ったところで販売数の目安にはならないだろうから徒労だろうなぁという気がしてます。

また、近年のゲームマーケットの出展費を鑑みるに、初出展してみたい!という方はこういった中規模イベントに出展してみるのも一個手かなぁとは思います。
個人的な感覚としては、生産量が100個以下であれば、イベント2~3回+委託販売で掃けるという感じです。(ついでに旅行ができる!)
委託販売に関しては、昨年のボードゲームアドベントカレンダーで記事を書いているので、そちらも見てみてください!

【その他】

その他に分類させていただいた、3イベントに関しては毛色が違ったので、その他とさせていただきました。

「異世界まぁけっと」「秘密の地下室で逢いましょう」この二つのイベントはアナログゲームがメインではなく、LARPがメインのイベントとなっております。
中世ファンタジーテーマのボードゲームの販売をやってみたら面白くない?というのを主催者様にお声がけいただいたので、特に何にも考えずに参加いたしました。
また、「ボードゲームフリーマーケットin川崎」はその名の通り、フリーマーケットでどちらかというと中古販売がメインで、新品はおまけ程度の立ち位置でした。

この3イベントをその他にしたのですが、共通して感じたのが「周りが出展者さんが強い」です。
もちろん、規模間や来場者数もあるのですが、LARP系のイベントの物販なので、リアルで装着できるアクセサリーや装備が置いてあるのもあり、それに対して紙でできたボードゲームはまさにおもちゃというレベルの見劣りを感じました。(「異世界まぁけっと」のお隣が「異世界アキンド」のNamikiさんだったのですが、とても良いビジュアルのゲームではありつつも苦戦をしていたようでした)
また、フリーマーケットですと、中古ゲームと比べられるのですが、隣で商業で出ている中古ゲームが2000円以下で売られていた利すると、新品の同人ゲームが2000円が見劣りしてしまうなぁという印象でした。
もちろんその中で手に取っていただき、購入していただいた方々もいらっしゃってとてもありがたい限りでした。
また、それぞれ「LARP」「中古ボドゲ」という主目的があり、そのついでに見ていってくださっている部分もあるかなというところを考えると、コミケくらい人数がめちゃくちゃ集まるならともかく、中規模イベントだとそこがどうしても難しいよなぁという印象を受けました。
ただ、ここに関してはまだまだ回数が少ないこともあり、何かしらできないかなというのを模索したいと考えており、来年以降の課題だなぁという感じです。

■まとめ

ということで、つらつらと書いてしまいましたが、もう一度まとめます!
HLKT工房として2022年に参加したイベントを以下の3つのグループにまとめて所感をつらつらと書きました!
それぞれ一言で言うとこんな感じ。

大規模イベント:大体の人のメイン販路かなと思います。出展料以外は文句ない!
中規模イベント:ここ最近各地であるので、どこかに参加してみるのもアリかも!
その他:天空もよくわかってないので、わかる人いたら教えてください。

ただ1か月に1イベント以上のペースは体力的にしんどいところもあるので、来年はペースを落とします!(多分!

ということで、HLKT工房2022年の総まとめでした。
ここ3年くらいデザインではなく、販売の話をしているので、来年はデザインの話をしたいなぁと思いますが…来年は来年でまた別のことを話していそうです…

■NextDay

明日のBoard Game Design Advent Calendar 2022の23日目の記事は「sounio120」さんの「久しぶりにゲムマに参加したので2019年ぶりにゲームデザインについてもアウトプットしていきたい」

お楽しみに!!

マッチョなトリテを作った話

この記事は『Trick-taking games Advent Calendar 2022』12日目の記事です。

初めましての方は初めて、お久しぶりの方はお久しぶりです。

HLKT工房の天空 薙と申します。以後お見知りおきを

この記事では、HLKT工房のゲームマーケット2022秋新作『筋肉(マッスル)テイキング』のデザインノート的なものになります。

”的なもの”としたのは、これぞデザインノートというものをあんまり理解していないので、なんか違うなぁという記事になってもご了承ください。

さっそく『筋肉(マッスル)テイキング!!』の紹介!

どんなゲームかという話ですが、「ボド速」さんが概要動画を作成してくださったので、そちらを見ていただくのが早いかと思います!

【ボド速】筋肉テイキング【ゲムマ2022秋新作ボードゲーム】

文字ベースで説明するのであれば、2つのフェイズに分かれているトリックテイキングゲームで、オープン形式のドラフトで手札を作る「トレーニングフェイズ」と「レーンフォロー※」「マストフォロー」ルールでトリテを行う「コンテストフェイズ」になります。

カードは数字とボディビルのポーズで構成されており、トランプのスートに当たる部分がポーズになっています。

バックダブルバイセプスの1のカード画像

トリテ部分では、フォローできた札の中で基本的に数字の大きいほうが勝ちます。(ただし、フォローできている10と1の札がある場合は1が勝ちます)

勝ったプレイヤーはお題として場にでたカードと各プレイヤーが出したカードを得点として獲得します。

誰もフォローできなかった場合は、場に出ているカードは誰も獲得できません。

得点は、ポーズ(スート)毎に1枚2~4点となっており、1は特別に1枚5点となります。

※レーンフォローは、トリテ開始時にレーン上にフォロー札が提示されており、それに従ってフォローしていく形式を指します。

■そもそもなんで作ったのか?

<テーマの決定>

よく、なんでこうなったんですか?と聞かれるんですが、一言で言うなら「ボディビル大会ってマストフォローだよね!」と思ったからです。

あ、ちょっとまって!!ちゃんと説明するので、閉じないで!!!

ここに関しては、マストフォロー(最初のプレイヤーに合わせて同じ動き)をするものってないかなと考えていた時に、ふとボディビルの大会ってコールに合わせてポーズ取るなぁと気がつきまして、これってマストフォローのゲームになるんじゃないかな??となりました。

実際、コールされたポーズに合わせてそれぞれのプレイヤーがポーズカード出すのおもしろそうだよね!とはなったのもあり、方針は決まりました。

ちなみに、ボディビル大会を調べたら、ボディビル大会は指定ポーズが8種か9種ほどあるらしいのですが、その中でも比較審査(予選などの審査の中で甲乙つけがたく、次の審査に進む選手を選定するために改めてポーズをとってもらうフェイズ)でとる4ポーズというのがあり、それを題材としました。

<メインメカニクスの決定>

ボディビル大会にするなら、プレイヤーは事前にポーズ順(大会のプログラム)を知っていないとおかしくない?ということで、フォローするスートの順番が明示されている「レーンフォロー」形式がよさそうだとなりました。

余談になりますが、この「レーンフォロー」の名づけ親の符亀さんがゲムマ秋の時に『筋肉(マッスル)テイキング』の記事を書いてくれたので、良かったらそちらも見てください!

「筋肉テイキング」は運命を自ら創り出すトリテである

大分熱の入った記事を作成してくださった符亀さんにはこの場を借りてお礼申し上げます。

<テーマに合わせた調整>

マストフォロー→ボディビル大会→レーンフォローが決まった時点でドラフトを組み込むのは自分の中では、結構自然な流れとして出てきました。

「大会に出るんだから、それに向けてトレーニングするよね!」ということで、大会(トリテ)に向けて、勝つための選択(手札を構成する)をプレイヤーが行う要素が欲しいよねとなりました。

そうしたときに手札をドラフトするのが分かりやすく良いだろうなぁということで、大分スッと決まりました。

その中で、レーンフォローというシステム上、

「最初にレーンを形成するとドラフトのカードが少なくなり、結果的に選択肢が少ない。」
「ドラフトの余り札でレーンを形成すると、そもそも何を取るべきか分からない。」
と言う状態になってしまいました。

それの解決策が、

「レーンを形成しつつ、ドラフトも同時に進行する」
ということなので、その場合「手札にそれぞれのプレイヤーが持って選ぶ形式」よりも「場に並ぶカードを取っていくオープンドラフト形式」の方が相性が良いなとなりました。

そんなわけでマストフォロー、ボディビル大会、レーンフォロー、オープンドラフトのマッチョなトリテが出来上がりました。

ちなみに手札を全てドラフトするとプレイヤー負荷が重く、あまりにもだったため余り勝敗に関わらない弱いカードはランダムにして、強いカードのみドラフトすることで、ドラフトの内容を濃くしました

※こちらはテストプレイ会で符亀さんにやってもらった時の発案です、重ね重ねありがとうございます!!

■そしてイラスト…イラスト?

システムはさっくり決まったのですが、それに合わせてイラスト!となったのですが、あいにく知り合いにマッチョを描ける絵師様がおらず、1年ほど探し回っておりました。

(去年の秋前にアークライト様より「そこまで絞るには眠れない夜もあっただろう」が発売されたこともあり、少し時期をずらそうという意図もありました)

最終的に知り合いのつてもなく、ダメ元でもともとファンだった「瞬く」さんにメールを送って依頼しましたら、なんと作成していただくことになりめちゃくちゃありがたかったです。

そして完成したのがこの4人のマッチョです!

筋肉(マッスル)テイキングに登場するマッチョ

ということで、素晴らしいマッチョを描いていただき完成したのがこの筋肉(マッスル)テイキングです!

筋肉(マッスル)テイキング箱絵

圧が、圧が強い!!

こちらに説明書も上がっているので、ルールが気になる方はぜひそちらもご覧ください!

■最後に宣伝!

ということで長々とお付き合いいただきありがとうございました。

そんな感じの考えで『筋肉(マッスル)テイキング』を作りました!ということをつらつらと書かせていただきました。

もちろん途中途中でいろんな方にテストプレイをしていただき、たくさんのご意見を頂き、現在の形になりました。

この場をお借りして感謝申し上げます。

ということで、最後に宣伝させてください!

本日紹介した『筋肉(マッスル)テイキング』ですが、全国のイエローサブマリン様をはじめとして、浜松のマスターズギルド様などで委託販売しておりますので、店頭で見かけましたら是非お手に取ってくださればと思います。

また、ボドゲーマ様コノス様で通販しておりますので店頭まではいけないなぁという方はそちらもご検討ください!

ということで、マッチョなトリックテイキングを作った話でした!
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

明日の『Trick-taking games Advent Calendar 2022』はいちょーさんの記事になります!
お楽しみに!!

機動戦士ガンダム2次創作ゲーム「サクとサム」デザインノート

■この記事はなに?

皆様初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。HLKT工房の天空 薙と申します。

この記事は「アブストラクトゲーム Advent Calendar 2022」7日目の記事です。

本記事では、ゲームマーケット2022秋に頒布したガンダム2次創作のアナログゲーム合作集「G4計画」に掲載いただいた、拙作「サクとサム」に関してのデザインノートのようなものになります。

ようなとしたのは、このブログを書いている天空が普段デザインノート的なものを書くわけでもないので、きっとこんな感じだろ!という感じでまとめたものなので皆様の期待しているものをお出しできるか不安でございますが、興味がありましたらお付き合いください。

■タイトルのサクとサムとは?

サク、サムとは機動戦士ガンダムのスピンオフ漫画である『トニーたけざきのガンダム漫画』に登場するモビルスーツ(ガンダムを知らない方向けに平易に説明するならロボット)です。

『トニーたけざきのガンダム漫画』とは、ガンダムエースで不定期に連載しているガンダムをテーマにしたギャグ漫画である。

アニヲタWiki(仮) (https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/3671.html)より抜粋

そのマンガの中に登場するのが、サクとサムです。(初回登場時の画像)

トニーたけざきのガンダム漫画p79より抜粋
トニーたけざきのガンダム漫画p82より抜粋

※こちらガンダムを知らない人向けに軽くネタを解説すると、アニメ機動戦士ガンダムの世界では、(宇宙コロニーにある)ジオン公国軍と地球連邦が戦争しているのですが、その両軍で量産されているロボットが「ザク」と「ジム」(下記画像参照)になります。

バンダイホビーサイト HG 1/144 ザクIIより
バンダイホビーサイト HGUC 1/144 RGM-79 ジムより

そのザクとジムをさらに簡略化した兵器ならば敵軍に対して数の有利を取れるだろう!ということを両軍考えこの手抜き簡易量産型兵器を作ったが…という話になります。

■そもそもなんで作ったの?

今回の合作の主催が「くらげシステム」さんなのですが、普段から懇意にさせていた縁もありつつ、G4計画の全体的なアートワークを担当されている「Studio Turbine」さんとガンダムの話をしたのがきっかけでお誘いいただきました。

■「サクとサム」はどんなゲームか?

今回作成した「サクとサム」では、ジオン軍側と連邦軍側に分かれてプレイする2人用アブストラクトゲームです。

双方は15枚のユニット(内1枚は特殊ユニット)を持ち、マップ上に配置されたユニット(1マスに最大3ユニット配置可能)を移動させて敵陣(薄い青と薄いピンクの部分)にユニットを置くことを目標とします。

また、原作では連邦軍(青側)基地をジオン軍が攻めているというシチュエーションなので、15ターン経過時にどちらも勝利条件を満たせない場合、ジオン軍の敗北ということになっています。

サクとサムの戦闘マップ
サクとサムユニット(種類と枚数)

■ゲームのユニークポイント

このゲームのルールとしてユニークな部分は、戦闘処理と移動方法の2つがあげられると思います。

①戦闘処理

基本的に戦闘処理に関しては、シミュレーションゲーム、ウォーゲーム感を出したかったのもあり、以下のようなルールにしました。

  • 敵軍のユニットにあるマスに自軍ユニットを移動させた場合、戦闘処理が発生
  • 戦闘力の差分が大きい軍のユニットがその差分だけ生存、残りは破壊(破壊されたユニットは時間経過で戻ってくる)
  • 戦闘力はそのマスおよび周囲6マスのユニットによって決定
  • 1ユニット1戦闘力だが、特殊ユニットのみ3戦闘力を持つ

これによって、結構ウォーゲームっぽい感じを出しつつ計算量を抑えられたかなと思います。

②移動方法

移動ルールですがこっちは若干複雑になってしまいましたが、マンカラっぽい動きをさせつつユニットがわちゃわちゃと押し出している感じをイメージしてルールに起こしました。

  • 1ターンに移動できるのは1マスに配置されている自分ユニットのみ(最大3ユニット)
  • 周囲6マスのいずれかに1マスにユニットを移動できる
  • 移動先に1ユニット以上配置できる場合、移動しているユニットから最低1ユニットを配置して、残りのユニットをさらに周囲6マスのいずれか移動させてもよい
  • 移動先が自軍ユニットのみで配置できない場合、移動しているユニット全てをさらに周囲6マスのいずれかに移動させてもよい
  • 移動先に敵軍ユニットがいる場合はそこに移動ユニットを配置して、戦闘となる(配置できない数のユニットは1マス前に戻る)
  • ふと枠になっているマスは2ユニットまでしか配置できない

■ルールデザインで苦労したところ

戦闘処理と移動ルールの基本は早い段階でできたのですが、ターン制限と戦闘処理の関係で連邦側が動かないほうが有利となってしまい、膠着状態が起こりやすくなってしまいました。

そのためにマップを細かく調整しました。

サクとサムの戦闘マップ

調整ポイントとしては、大きく以下の2つを行いました。

①連邦軍側の飛び地陣地の作成

②2ユニットしか配置できない通路の作成

①連邦軍側の飛び地陣地の作成

ここで言及しているのは、中央下にある青いマスなのですが、これの設置意図としてはゲーム序盤に連邦軍側のユニットを行動させる必要性を出すことにあります。

これがない状態ですと、初期配置から動かず、ジオン軍の動きに合わせて防御を厚くすれば勝ててしまいます。

それを解消するために飛び地を作成し、ジオン軍は序盤にこちらを落とそうする(連邦軍は守ろうとする)という動きになるようにマップの位置を調整しました。

これによって、序盤はジオン軍、連邦軍双方が飛び地にユニットを進める動きになったかと思います。

②2ユニットしか配置できない通路の作成

①で飛び地を作ったことにより、そこの攻防が序盤の動きになったのですが、第二の問題として、飛び地付近での膠着状態が発生しました。

本作の戦闘処理ルールですと、基本的にターンプレイヤー側が若干不利になる場合が多くテストプレイでは、損失を抑えるために戦闘を避ける傾向がありました。

そうなった場合、起こるのが陣地付近でのにらみ合いになります。ただ、これではゲームが硬直してしまって面白くありません。

そこで登場したのが、マップの中央にある2ユニットしか配置できないマスになります。

基本的にはジオン軍側がここに布陣することになるのですが、布陣したジオン軍側は狭い通路に2ユニットずつ配置することによって、1ターンでここの通路を行き来きできます。

基本的に飛び地の防御を盤石にするほど戦力を割いていると裏側から攻め込まれて、左上側に攻め込まれる。

逆にそっちに防御を厚くすると飛び地に攻め込まれるという状態になるようにしました。

また、ジオン軍側も深く左上に攻め込むと自軍の防御が薄くなるので、飛び地の防御をしている連邦軍の逆襲で先に陣地を占領される恐れもあります。

といったバランスになるように何回もテストプレイをしていったマップとなっております。

ここは自分的にもよい感じにできたかなという部分ではあるので、ぜひプレイしてみてください。

■宣伝

ということで、長々とお付き合いいただきましたが、アブストラクトっぽくないアブストラクトゲームを作成したので、ちょうどよいアドベントカレンダーがあり、デザインノート的なものを書かせていただきました。

ありがとうございます。

G4計画に関しましては、くらげシステムさんのBoothでも通販を予定しております。

また、12/30に行われるコミックマーケット101の1日目に出展するHLKT工房のブース(東s19b)にて委託頒布という形で頒布予定です!
また、同日同会場のStudio Turbineさんのブース(東s35b)でも同じく頒布予定です。

もし実物を見てみたいという方はお越しください!

なお次回の アブストラクトゲーム Advent Calendar 2022」は明後日9日、Kanare_Abstractさんの「禽将棋に登場する鳥について」だそうです!
お楽しみに!!