HELIKUTU KOBO

へりくつ工房はカードゲームを作ったり、 そうでもないものを作ったりしています

トリックテイキングゲームを1から作ろう!~トリックスミスのデザイナーズノートとおまけ~

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2025の10日目の記事となります。

目次
  • 挨拶
  • トリックスミスのデザイナーズノート
  • 中締め
  • トリックスミスの製造手順に関して
  • 締め

挨拶

こんばんわ!
お久しぶりの方はお久しぶり。
初めましての方は初めまして。
HLKT工房と最近ではアトランティスゲームズというサークルでゲームを作成しております。
天空 薙と申します。

X上でこのカレンダーの製作者のR(アール)さんの背中を蹴っ飛ばしてしまったので、責任をとって2記事作成しようと思います
この記事はその1記事目となります。

この記事では拙作「トリックスミス」のデザイナーズノート的なものと製造手順的なものを綴ろうと思います。
後半の製造手順に関しては、おそらくこのカレンダーを見にくる方にあまり興味がない方向の話になりそうなので、気になる部分だけ掻い摘んで読んでいただければと思います。

また、トリックテイキング系のフォロー、ビッド等の用語は解説しない予定です。
わからなかったらググってください!


トリックスミスのデザイナーズノート

トリックスミスの書影

さて、ゲーム制作は4つの流派があるとよく?言われております。
「メカニクス先行」「テーマ先行」「コンポーネント先行」「体験先行」
自分はなんでもやりますが、最近はもっぱら「体験先行」を心がけておりまして、メカニクス派、世界観派みたいなノリで印象派を名乗っております。

では今回も体験先行かと言われますと実は違く、メカニクス先行となります。
ゲームの最初のアイデアの種としては「ゼロビッド」「ヌルビッド」の違いです。
これは、システムによって同じものを別の呼び方をしているだけではありますが、ゼロとヌルの違いというと、プログラマー的に下記の画像が思い浮かびます。

引用:【プログラミング入門】NULL、0、undefined、空文字、半角スペースの違い

さて、ゼロとヌルともう一つアンデファインドという三つの状態がここに出てきました。
ここで、元のビッドの話をしましょう

ゼロビッド、ヌルビッド、アンデファインドビッド
とこの三つのビッドが同じゲームに同居するとしたら、どのようなルールになるでしょうか?

自分の回答としては…

ゼロビッド 0勝=ミゼールを目指す
ヌルビット ビッドをしない=ラウンドに参加しない
アンデファインビッド ビッドという行為が出来ない=一時的な脱落状態

というものでした
では、これを実現することができるシステムは…と考えますと

状況によって、ラウンドに参加できず、参加できたとしても参加しない方が有利だと判断できるタイミングがあるトリックテイキングゲーム

複雑なことになってきましたが、少し具体化されたかなと思います
ラウンドに参加できないタイミングがあるトリックテイキングゲーム…をどうやって実現できるか?
色々方法はあると思います。
・前のラウンドの勝者は参加できない
・最終トリックの敗者は参加できない
・ビッドを達成した場合/できなかった場合
・特定のカードを集めてしまった場合
などなど

その上で今回は
手札がないと参加できない=手札がプレイヤー毎に変化するトリックテイキングゲーム
というところに落ち着きました
その上で他の要素を組み合わせて

手札が変化するトリックテイキングゲーム
変化する要因としては、
・ビッド数に合わせて手札を捨てる
・前ラウンドでビッドから外れた分だけ手札を捨てる

という手札がガリガリ削れていくトリテが出来上がりました。
その上で、ヌルビットをすることで手札が回復するため、ヌルビットを選択する意味がでてくる!
と、いい感じのコンセプトが出来上がりました!

と、もしトリックスミスをプレイしてくださった方がいたら、そんなゲームじゃなかった。となるかと思います
そうです、そんなゲームにならなかったのです…
原因としては
①ヌルビットでの回復という選択肢を活かすためにラウンド数が多くないといけない
②その割には手札の枚数というリソースの一枚あたりの価値が重い
③アンデファインビッドをしたところから勝てる道筋がない

といった具合でした
ので、、、
3種のビッドを諦めて、方針転換し、
手札がラウンド毎に変わるトリテにしました!
そして、何回かテストプレイをしてできたのがトリックスミスとなります。
このシステム自体は昨年には出来てたのですが、これに当てはまるテーマもないなぁということで、塩漬けになっておりました。
そこにシステムオンリーと言うイベントがあったので、せっかくなら新作作るかと持ち出したのがこちらになります。

ただ、このシステム良くも悪くもトリテマゾ向けの怪作というのが個人的な評価でいっぱい作るものじゃないなぁということもあり、自家印刷とすることにしました!
アイコンやデザインなどは久遠堂さまにアドバイスを頂き、デザインを作成しました!
という事で、デザイナーズノートとしてはこんな感じとなります。


中締め

ここからは自家印刷ってどういうこと!?となった人向けに何をどうやってるかの紹介となります

が、あまりにも一部の製作者向けの内容になりますので一旦中締めをば…

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2025の10日目の記事でした!
明日は、shiro&chocoさんの記事となります。
お楽しみに!!

ちなみに、今回紹介したトリックスミスはboothにて販売しております!
たまーに海外からどかっと注文が入り在庫が枯れてしまうのですが、自家印刷のため、在庫は数個ずつ復活します。
興味があれば、説明書もこちらで公開しておりますのでよろしくお願い申し上げます。

BOOTH URL:https://hlkt-kobo.booth.pm/items/7211995


制作手順に関して


……
………

という事で、二部は制作日誌という事で、トリックスミスの制作工程をざっくり紹介していきます!
とはいえ、そんなにややこしいことは無いのでパパッと紹介します!

①材料の購入
②印刷
③カット
④角落とし
⑤説明書折り
⑥シール貼り
⑦梱包

ほら、8工程しかない
各工程の詳細も紹介していきます。

①素材の購入
買います
紙に関しては、自家印刷ということもあり、滲みやインクの消費、印刷ずれを考えて、ベースに色があり、印刷領域が少なくても良い感じになるもの
という事で、クラフト紙風のものをチョイス
厚さは今回ちょっと豪華に厚さ0.42mmのものとしました!

厚さに関しては少し?だいぶ?失敗しました(詳しくは印刷のセクションにて…

ベースがクラフト紙なので、全体的にそちらに統一するという意図で、
箱と説明書の色もそちらにしました。

※別途パッケージ用のシール紙も使用してますがこちらに関しては家にあったものを流用してます

印刷用の紙を購入は「業務ペーパー」様
箱は「山櫻」様にて購入しました。

②印刷
印刷に関しては、特におかしなことはしていません
使用プリンターは「OKI 301dn」で10年以上HLKT工房で頑張っている自慢のマシーンです!!

ここで先ほど言った失敗の話ですが、紙厚が厚すぎてプリンターにうまく通らなく、ちょっと強引に印刷することになりました…

そのせいで量産性に若干の難が出てしまったのが失敗でした…

③カット
そして印刷したものをカットしていきます。
こちらは名刺サイズカッターという秘密兵器に頑張ってもらいました。

こちら、A4サイズを名刺サイズにカットできる優れものです!

④角落とし
そしてカットした名刺サイズのカードの角を落します。
カードの角落しはこちら

当時の写真がなかったので、最近行ったわんおぺのカードになります。

⑤説明書折り
ここに関してはびっくりドッキリメカもなく、ただただ地味に印刷した紙を折るだけです。
紙を折るときはこんな感じのゴムベラがあると折りやすいです

⑥シール貼り
箱にシールを貼り貼りしていきます。
シールは透明シール普通の紙シールを両方とも印刷しました。
全て透明シールにすると文字が読みにくかったため、箱裏の説明は紙シールと使い分けています。

⑦梱包
あとは全てをまとめて箱に入れれば完成です。
なお、誤算としてカード厚が厚すぎたので蓋が閉まらなかったので、モビロンバンドで留めて完成となりました!


締め

ということで、改めて

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2025の10日目の記事でした!
明日は、shiro&chocoさんの記事となります。
お楽しみに!!

ちなみに、今回紹介したトリックスミスはboothにて販売しております
たまーに海外からどかっと注文が入り在庫が枯れてしまうのですが、自家印刷のため、在庫は数個ずつ復活します。
今回も少し追加したので、よろしくお願いいたします!

カテゴリ: 雑記

天空 薙

サークル代表(雑用)の天空 薙です。 イラストとデザイン以外の仕事を主にしてます

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